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時系列で振り返る全提供曲レビュー

黒沢健一の提供楽曲を時系列で振り返ります。


WORKS::時系列で振り返る全提供曲

1988

HE LOVES HER / 島田奈美

アルバム『CURIOSITY』収録。ラギース時代から存在し、後にL⇔Rのアルバム『LAUGH+ROUGH』に収録される名曲「BABY BACK」の歌詞違いバージョンである。ひとつひとつの音が純粋で誇張なく、詩的で深い音楽を紡ぎ出すL⇔Rバージョンの素晴らしさにはもちろん及ばないが、それでもこの記念すべき一曲が、やがて新しい地平へと引き出される未来の扉に手をかけたことは間違いのない事実だ。
(1988.7.21リリース)


WORKS::時系列で振り返る全提供曲

1989

でも…!? / MEGU

MEGUの2ndアルバム『家を出た!/IE O DETA!』収録。コケティッシュなボーカルが印象的。どこか破綻を孕んだスリルが全体に漂っている。万人が認める名曲ではないかもしれない。しかし、ここにはゆがみと痙攣の音楽が具現されている。若くして黒沢健一は黒沢健一だったのだ。
(1989.6.1リリース)





それは夏の午後 / 南野陽子

ナンノの7thアルバム『Gauche(ゴーシュ)』収録。翳りのあるメロディー。サビの一段一段と階段を上がりきったその直後に「♪そ・れ・は・な・つ」と一気に下降する構成がいい。随所に聞かれる類稀なる新鮮な音楽性、可能性のつぼみを拾い出す楽しみがある。
(1989.7.12リリース)


WORKS::時系列で振り返る全提供曲

1990

サイド・シートに答えて / 南野陽子

ナンノの17thシングル『ダブルゲーム』のカップリング。黒沢健一のメランコリックな側面がダイレクトに表出した一曲であるといえる。L⇔Rデビュー前の作曲家時代の実りについて、本人はあまり満足していなかったようだが、各楽曲には後年の作風を先取りしている一面も認められると言ったら言い過ぎだろうか。
(1990.6.1リリース)





クリスマスコーリング / 七つ星

アルバム『聖夜七つ星』に収録。L⇔Rデビュー前最後の楽曲提供。L⇔R名作群へのスプリングボード的な役割を果たす楽曲としては、一本調子の歌の印象もあり、やや平板で杓子定規的ではあるが、メロディーそのものは決して悪くない。
(1990.12.1リリース)


WORKS::時系列で振り返る全提供曲

1993

野バラ咲く頃 / 日高のり子

どこかに幸せが / 日高のり子

天国に近いところで泣きたい / 日高のり子

アルバム『MEGA BABE』収録。作曲・黒沢健一、編曲・遠山裕のコンビ。サビの♪リメンバーリメンバーのリフレインがクセになる「野バラ咲く頃」。デュエットのミディアムナンバー「どこかに幸せが」。軽快でリズミカルな「天国に近いところで泣きたい」。いずれもコンポーザーの特別な個性を際だたせるような表現ではないが、高い合奏能力で誠実に演奏されている。
(1993.7.21リリース)

My Home Town /永作博美

永作博美の1stシングル。黒沢健一という山並みの稜線がボンヤリ見え始める名曲。楽曲自体はラギース時代から存在していた。2008年のツアーで突然セルフカバーされ、オーディエンスを驚愕させた。
(1993.8.4リリース)


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1994

Without You / 永作博美

2ndシングル。前作に続き、こちらも良曲。イントロが最高。ほのかな緊張感。ほのかに歌謡曲テイスト。
(1994.1.21リリース)


気分爽快 / 森高千里

L⇔Rやソロ活動、その他のユニットからは、論理や理屈から逸脱しても平気でいる独自の感覚が見え隠れするが、黒沢健一の数多い提供曲の中で最もその手触りに近いのは、実はこの「気分爽快」なのかもしれない。ビートルズやオールディーズ等の空気を目の当たりに甦らせる。その鮮度は時代を超えて永遠の生命を放ち続ける。2008年に日本武道館で開催された「感謝!ハタチのシャ乱Q みんなでお祝いスペシャル日本武道館フェスティバル!~長いよ~」で、奇跡の「気分爽快」セッション。作曲者・黒沢健一による美しい「♪あーしーたー」コーラスはいまや伝説だ。
(1994.1.31リリース)


Double meaning / 稲垣潤一

アルバム『Signs of Trust』収録。作者の才気煥発はないが、唯一無二の稲垣のウェットな声質が絡むことで、メロディーに重厚な底力を生み出している。洗練された都会ポップス。
(1994.4.6リリース)





ランデヴー / 井上睦都実

アルバム『幸せなデニム』収録。軽やかで伸びやかなメロディーが気持ちいい。健全でバランスの取れた作品。
(1994.7.21リリース)


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1995

運命’95 / Melody

田中有紀美・望月まゆ・若杉南による3人組のアイドルグループ、Melodyの5thシングル。L⇔Rファンならびっくり、あの「MAYBE BABY」が下敷きとなった名曲。「♪待ちぶせする公園で~」のパートは、「MAYBE BABY」とはまた違う前衛性とダイナミズムがある。作詞はゴーバンズの森若香織。
(1995.8.19リリース)


WORKS::時系列で振り返る全提供曲

1999

7th ヘヴン / 加藤いづみ

アルバム『Spring-a-ring-a-ring』のラストを締めくくる楽曲。終始スペーシーな音像の中、カラフルなメロディーを時にはお茶目にいたずらっぽく歌うボーカルがいい感じ。
(1999.3.25リリース)






インディーズのテーマ / インディーズ

千葉れみ、深谷麻梨絵、三瓶あさみの3名で結成されたアイドルグループのシングルCD。作詞サエキけんぞう、作曲は黒沢健一、編曲が清水信之という豪華作家陣。ちなみにこのCD、サエキけんぞうの手元にないらしい。
(1999.3.30リリース)




あふれる思い / 徳山秀典

伝える気持ち / 徳山秀典

黒沢健一が最も多くの楽曲を提供したのが、当時まだ17歳だった新進気鋭の徳山秀典。その1stシングルだが、ボーカルは荒削りでまだまだ原石段階。でもそこがいい。「あふれる思い」のサビでは黒沢コーラスも聴こえる。よく歌うギターソロも素晴らしい。カップリングの「伝える気持ち」は名曲。哀愁を感じるAメロから伸びやかなBメロに展開し、これぞ黒沢節と膝を打つサビへ。
(1999.7.16リリース)



Lovery,Love Me / 中島ちあき

It Must Be Love / 中島ちあき

ポリスター新レーベルの第1回オーディションでグランプリを受賞したシンガー中島ちあきへ提供した傑作シングル。低音ボーカルの柔らかい響きが魅力。黒沢遠山コンビ&ドラムは黒沢の盟友の堀宣良。1番サビ(トゥットゥッ)と2番サビ(フーゥ)ではコーラスが異なるといった緻密に作り込まれた「Lovery,Love Me」。カップリングの「It Must Be Love」は、かわいらしいメロディーと派手にならない抑制されたコーラスワーク。幸福感に満ちたカラフルな音作りも良い。
(1999.8.1リリース)


Don’t Take My Time / 中島ちあき

Peace Of Mind / 中島ちあき

黒沢プロデュースによる2枚目のシングル。「Don’t Take My Time」は黒沢は詞提供のみで、作曲は遠山裕。ドラムはもちろん堀宣良。これがまた掛け値なしの名曲なのである。Bメロからサビにかけて豊潤かつ精緻な黒沢コーラスが楽しめる。演奏が止まり、ボーカルとコーラスのみとなるパートは鳥肌もの。中島ちあきというミュージシャンの魅力を最大限引き出し、ガールズポップとしての芯を的確に捉えることに成功している。「Peace Of Mind」もポップでメロディアスで、でもそれだけでなくとんがった部分も垣間見え、ポップスとして非常にバランスがいい。
(1999.9.1リリース)

ハックルベリー / 徳山秀典

Touch Me / 徳山秀典

デビューシングル「あふれる思い」の3か月後にリリースされた2ndシングル。黒沢健一が歌うとポップになりすぎるかもしれない「ハックルベリー」のメロディーに、ざらついた徳山の声をブレンドすることで、骨太な力強さがあるポップスへと昇華している。カップリングの「Touch Me」は、かっこいいの一語。躍動的なリズムが、瞬間的に波を起こす。しっかりと黒沢フレーズも散りばめられている。唐突に咆哮するトリッキーなギターワークも印象的だ。このシングルのカップリングにしか収録されておらず、CDが廃盤となっている現在では入手困難。
(1999.10.6リリース)


WORKS::時系列で振り返る全提供曲

2000

Close To Me / 徳山秀典

Lover’s Kitchen / 徳山秀典

渾身の3rdシングル。「Close To Me」は名曲中の名曲。鮮やかな光が隅々にいたるまで同じ光量で均質に行き渡っている。バンドサウンドのエッジはそのままに、楽曲の持つ美しさや儚さが損なわれていない。後年、黒沢本人によるセルフカバーも何度かライブで披露された。個人的には、黒沢健一の全提供曲の中でも最高傑作のひとつと思う。カップリングの人気曲「Lover’s Kitchen」は、その甘い歌詞に注目されがちだが、起伏に富んだメロディーもリズムも素晴らしい。詞と曲が渾然一体となり、それぞれが高いところで燃焼したときにしか表現できない楽曲になっている。
(2000.2.17リリース)


Spinning Wheel / 徳山秀典

Love Letter / 徳山秀典

No,Say Good-Bye / 徳山秀典

Throw Away / 徳山秀典

Sleepless Night / 徳山秀典

日常 / 徳山秀典

1stアルバム「One 17th」は、アルバム全編がハイライトの連続で、徳山秀典に仮託された「黒沢健一のオリジナルアルバム」とさえ思える完成度の高さだ。そのオープニングナンバーである「Spinning Wheel」では、黒沢健一の秘めたパッションが抑制されることなく、徳山秀典という無垢なスピーカーを通じて激しく感情が吐き出されている。その成果は年齢の違いから起こる摩擦を感じさせないものであった。静かなる名曲「Love Letter」のメロディーが沁みる。音の一つ一つに過ぎ行く時を惜しむようなノスタルジーがある。「No,Say Good-Bye」も名曲。完璧なソングライティングに見事に呼応したボーカルも素晴らしい。作品としての体裁を整える過程で失われるものが、剥き出しのまま作品中で脈打っている。前曲から一気呵成にソリッドなイントロに突入する「Throw Away」は、疾走感をもった畳み掛けるような荒々しいボーカルがいい。ライブでも定番となっている求心的で推進力ある楽曲。ドライなサウンドがかっこいい「Sleepless Night」のメロディーにも、時代を選ばない強い普遍性がある。勢いのあるロックン・ロールは一旦影を潜め、入り組んだ感情の起伏を塗りこむようなサウンドへと変化を遂げたミディアムバラード「日常」も、出色の出来だ。
(2000.3.29リリース)


カナリア / 千秋

シングル『Bee』のカップリング。サビはほんのり「Round Wound」風。鮮やかな音の色彩感覚というのはここになく、あくまでモノトーンな印象。
(2000.4.28リリース)





FOR REAL / 徳山秀典

4thシングル。テレビ東京系アニメ『幻想魔伝 最遊記』オープニングテーマ。イントロのリフはエアロスミスの名曲「Eat The Rich」のそれである。エッジの効いた攻撃的なギターサウンドと荒削りなボーカル、疾走感あふれるメロディー。それぞれの相性は抜群で、このシングル曲を特別なものにしている。カップリングにはバージョン違いを収録。
(2000.5.17リリース)




運命’99 / NHK天才てれびくんワイド

NHK教育テレビの子供バラエティ番組『天才てれびくんワイド』から生まれた一曲。アルバム『NHK天才てれびくんワイド 天てれ大入り袋』に収録されている。歌うのは番組内ユニット“悪魔なエンジェル”。「運命’95」から一部の歌詞が変更されている。編曲はゴダイゴのタケカワユキヒデ。
(2000.6.1リリース)





STILL TIME / 徳山秀典

BLUE / 徳山秀典

5thシングル。「STILL TIME」はテレビ東京系アニメ『幻想魔伝 最遊記』オープニングテーマ。正確な拍が刻むテンポの上で、その制御から解き放たれようとする荒削りなボーカル。正反する両者の間に生み出される絶妙な緊張が生み出す推進力は、圧倒的な迫力と説得力である。カップリングは名曲「BLUE」。無駄なことを一切考えず、ひたすらまっすぐ楽曲に向き合っている。まじり気がない。高純度のポップスを生み出してきた黒沢健一の代表的な提供曲であると同時に、揺るぎない普遍性を獲得している。黒沢はコーラスだけではなく、タンバリンで参加している。
(2000.11.22リリース)


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2001

卒業 / 徳山秀典

That’s a Fact / 徳山秀典

6thシングル。黒沢健一の音楽らしい、胸を締め付ける切ないメロディー。まるでその切なさの源を探ろうとするように進行していく「卒業」は名曲である。カップリングの「That’s a Fact」も素晴らしい。イントロなしに冒頭からストレートに刻み込んでくる、パワーに満ちた楽曲だ。ギターには菊池真義、ドラムには堀宣良が参加。晩年に楽曲提供することになる東郷昌和がボーカルディレクションにクレジットされている。
(2001.2.7リリース)


DRIVE / 徳山秀典

PURE / 徳山秀典

気づけよ / 徳山秀典

Ha-Ha / 徳山秀典

Happy Birthday / 徳山秀典

いつもそばに / 徳山秀典

2ndアルバム『REAL TIME』のスリリングで情熱的なオープニングトラック「DRIVE」。堀宣良の凶暴なドラムにテンションがあがる。センシティブなタッチから生み出される美しく抑制的な優しさに満ちた表情を見せる「PURE」。サビのメロディーの昇降に「らしさ」が感じられる「気づけよ」は、淡々としているのに、どこまでも深みがある一曲である。レイジーな雰囲気と濃密で重いリフが印象的な「Ha-Ha」は、今までのサウンドイメージとは異なるが、不思議とこれもまた黒沢楽曲と思える。「Happy Birthday」は大阪公演のアンコールでギター1本の弾き語りでセルフカバーされたことがある。その記録用映像を見る機会があったが、もちろん徳山バージョンも悪くはないが、この黒沢バージョンの素晴らしさは圧倒的だった。ボーカルは完璧にコントロールされ、無駄な動きがなく、すべてがあるべき角度に収まっていた。黒沢健一の歌はいつも時を止めてしまう。アルバムラストを静かに締めくくるのは「いつもそばに」。人間臭く、暖かみのある骨っぽいボーカルが、優しい旋律を歌いあげる。
(2001.2.21リリース)


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2004

グッド・オールド・サマー・デイズ / 藤木直人

ミニアルバム『夏歌ウ者ハ冬泣ク』収録。作詞はシライシ紗トリとの共作。コーラスワークが冴え渡る素晴らしくキャッチーな名曲である。ポップで都会的、そして清涼感が本当に気持ち良い。ベースは後に黒沢健一のツアーにも参加する山口寛雄。
(2004.7.28リリース)


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2005

約束の場所で / 曽我泰久

シングル『music life(42 1/3 RPM)』収録の名曲。健’z with FRIENDSで交流を深めた曽我泰久(やっちん)との共作曲。サイケな音像の中、キャッチーなメロディーが展開していくが、Aメロは誰が聴いても明らかにやっちんの筆。Bメロもおそらくやっちんで、サビが黒沢健一による旋律と見るのが正解だろう。
(2005.10.22リリース)




霧の夜 / 湯川潮音

シングル『蝋燭を灯して』収録。それにしてもなんという哀感。作曲者の筆に込められた創造性が、湯川潮音というボーカリストの神聖な力によって、これ以上ないほど美しく響き渡る。後に名盤ソロアルバム『Focus』の中で、「Silencio」とタイトルを変えてセルフカバー。
(2005.11.9リリース)


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2006

二人の手紙 / 湯川潮音

ミニアルバム『紫陽花の庭』に収録。すさまじい酩酊感。音楽は意志を持って動き始めるが、ただ、音楽が進んでも聴き手はどこに連れて行かれるかわからない。そんな奇妙な感覚に襲われる一曲。
(2006.6.14リリース)


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2007

ABSTRACT/完全な相関性 / 中島卓偉

アルバム『僕は君のオモチャ』に、黒沢健一と木下裕晴がそれぞれ作詞で1曲ずつ参加。「5月9日」に黒沢+木下とはなんという偶然!作詞のみの提供は非常に珍しいが、「忠誠 君を締め付ける 体制 僕を駄目にする」「明日は 君に会えるかも 明日には 君はいないかも」といった苛烈な言葉で"君"と"僕"の相関性が表現されている。音数を節約すること、つまり書き過ぎないことによって、完全な表現に至ることのできる世界。そこには黒沢健一特有の思索性が流れている。
(2007.5.9リリース)



WITH YOU! / 徳山秀典

LIFE / 徳山秀典

ミニアルバム『score BeAt』収録の2曲は、久しぶりの徳山秀典への提供曲となった。「WITH YOU!」のAメロはどこかL⇔R「GAME」風。その古典的で軽やかな形式感から、黒沢節とも言うべきものが堪能できるだろう。情景が浮かび上がる美しいバラード「LIFE」には、アコースティックギターで黒沢健一も演奏に参加している。ドラムは言わずもがな堀宣良。
(2007.7.22リリース)


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2008

シェルブールの雨 / 湯川潮音

2ndフルアルバム『灰色とわたし』に収録。湯川潮音への楽曲提供3部作のラストを飾る一曲。ふとした表情の変化や、影から光への移行を表現するソプラノボーカルに思わず息を飲む。そして楽曲のあまりのイノセンスさゆえか、翌年かもめ児童合唱団にカバーされることになる。
(2008.7.2リリース)


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2009

シェルブールの雨 / かもめ児童合唱団

ミニアルバム『トラベシア/三崎の歌』に収録(後、2016年リリースのアルバム『インターネットブルース』にも再録)。オリジナルから大きく逸脱する印象はない。それどころか原曲の持つ旋律美を見事に描き切っていることに驚きを禁じ得ない。
(2009.4.22リリース)


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2010

BABY QUEEN / 杏子

アルバム『Just』収録。イントロから黒沢節100%炸裂。美麗コーラス満載の黒沢流極上ポップ!レコーディングメンバーがすごい。遠山裕、木下裕晴、堀宣良、菊池真義。この一曲のために黒沢健一の栄光のキャリアを彩ってきたメンバー達が総集結している。盤石。揺るぎのない余裕。サビの通奏低音のようなコーラスと、間奏のきらめくコーラスとの対比が効果的である。エンディングの唐突なカットアウトまで、らしさ満点。このメンバーでの共演をあと何曲か実現してほしかった。
(2010.7.21リリース)


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2014

ひとすくいのメロディー / 東郷昌和

アルバム『a Wonderful Life』収録。鮮やかに心情を描くピュアな音粒。大人っぽくジャジーなアレンジで、『BANDING TOGETHER in Dreams』に収録されていてもおかしくはない曲調。力任せにならないレイドバックした雰囲気は、ミュージシャンとして自分の年齢を引き受けることを選択したようにも思える。
(2014.9.3リリース)


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2015

素敵なパラダイス / 中村貴之

朝から良く晴れた一日 / 中村貴之

NSPの中村貴之に楽曲提供。アルバム『詠い人の歌』収録。リズムを自在にためるボーカルと、熟練の巧みなソングライティングが光る「素敵なパラダイス」のメロディーラインには、やや「A SUMMER SONG」風な部分も。「朝から良く晴れた一日」には、その朴訥としたボーカルと相まってどこか牧歌的な雰囲気がある。ひとりごとの呟きを結晶化したような歌で、独特の拍節感を持つ優雅なメロディが心地良い。
(2015.7.29リリース)


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