:: びっくり日記

高橋源一郎×東浩紀

2010.06.12

青山ブックセンターで開催された、高橋源一郎×東浩紀トークイベントに行ってきました。



おぉ!これが高橋源一郎先生と河出書房が用意したという参加者特典ですね。
単行本未収録の短編「魔法学園のリリコ」が掲載されたリーフレット(非売品/直筆サイン入り)



イベント後には、先生の最新作『「悪」と戦う』を購入、サイン会にも参加しました。
(発売から約1ヶ月、僕はこの日のために購入を見送っていたのです。長かった・・・)
整理券の裏に希望する宛名を書いて渡すんですが、「ひろニクル・・・フフッ」って軽く笑われました(笑)
まっすぐ僕の目を見て「ありがとう」と言って本を返してくれました。その笑顔に恋に落ちそうになりました。

帰りの電車内で、『「悪」と戦う』読み始めましたよ(・ε・)/




■ Silencio/黒沢健一


> 結局僕等は車谷さんからは離れられないんだよ(笑)
> その時々で評価は変わるけど、根本的な彼の歌に魅せられて来た事実は変えようのない現実なのだから。
> あの横浜アリーナも最高だったじゃないか!!!


うん、たしかにあの「声」からは、もう離れられないんだろうね。
「Nayuta」1枚で興醒めしちゃったけど、冷静に考えれば「Nayuta」以外は全部好きだし。
横浜アリーナ公演も最高。新横浜駅からタオル首に巻いて臨戦態勢を整えるキッズたちと、
最初っから暴れる気なんてちっともなかったAIRさんの服装との対比が印象的でした(笑)
ライブDVDも持ってたけど、どこ行ったかな。もう手放しちゃったかもなー。

> ひろニクルさん、二度目まして!
> グローブ座で一方的にお知り合いました、千葉市に出稼ぎ中のJunです。
>
> アップタウンスクエアスペシャル、私もテープ持ってます!
> あの時、ドラマが始まる前にもかかわらずノッキン初オンエアだったんですよ・・・嬉しくって何度も聴いたなあ~
> 実家に置いてきて何年も聴いてないのに、めっちゃ思い出せますよ、名付け親きーちゃんとか!
> 自分もリアルタイムファンでしたけど、当時は中学生でお金もないし遠出もできなかったし・・・
> マニア&コレクター気質の妻が欲しいです(笑)
> いつまでもご家族仲良くお幸せに☆
>
> 遅くなりましたがお誕生日おめでとうございます!


Junさん、ありがとうございます!家族全員で楽しい1年にします。何はともあれSMiLEです。
マニア&コレクター気質同士が結婚すると、予想以上にモノが増えることがわかりました(笑)
なんと、あのときのノッキンが世界初オンエアだったんですね!貴重な情報ありがとうございます。
ミリオンヒットになったという事実を知っている今、あらためて聴き返すと、どこか感慨深いですね。
ご実家に戻られた際には、ぜひ貴重なテープを発掘してきて下さいますようお願い申し上げます(笑)



メッセージはお気軽にどうぞ。

趣味::高橋源一郎


書評になにがわかる!?

2010.04.17



ジュンク堂池袋本店で開催されたトークセッション「書評になにがわかる!?」に参加してきました。
出演者は、作家の高橋源一郎氏(以下、タカハシさん)と音楽評論家の片山杜秀氏(以下、片山さん)。

イベント開始早々、タカハシさん本人より、Twitter実況OKとのお知らせがあり、
せっかくなので、あくまで自分用メモとしてポツポツつぶやいてみました(「tsudaる」技術はない!)
僕は高橋源一郎ファンだから、どうしてもタカハシさんの発言を採択することが多くなってしまうし、
そもそも発言者が誰なのか明記していなかったり、たぶん発言の真意も正確に読み取れていません。
しかし、同じ現場で同じ時間を共有していた記念として、ツイートはあえて原文ママ。赤字で注釈付けました。

+ + + + +

ジュンク堂なう
posted at 18:36:29

妻ニクルとベビニクルは先に帰宅。


混んでるね。春樹か
posted at 18:37:04
村上春樹「1Q84 book3」発売翌日。1Fレジカウンターには長蛇の列。


源一郎先生イベントは19時から。18時45分、先生会場入り。
posted at 18:48:25
控え室に入っていくタカハシさんの後姿が見えた。カリスマ書店員、田口さんもいる。


出演者からツイッター実況OK出たなう
posted at 19:07:36
僕の他にも何名かツイートしていた。


高橋源一郎先生、リュック膨らみすぎ。たくさん本が入ってる模様。
posted at 19:09:04
リュックの中から片山さんの著作が何冊も出てきた。
びっしりと挟まれた付箋の束に「本読みの達人」タカハシさんの一面が見えて大興奮。


華やかだった頃のLIBRO (過去形)
posted at 19:11:17
片山さんの異名は「本を目方で買う男」。
タカハシさんもリブロ文化が華やかな頃は、文字通り「目方」で本を買っていたそう。


イベント終了後、先生の本を買うとサインしてくれるらしい。もちろん著作はすでに持ってるのだが。悩む。
posted at 19:13:49
イベント中、ずっと悩んでいた。


クラシック専門誌は原稿料安い(片山)
posted at 19:21:14
著作「ぼくがしまうま語をしゃべった頃」の中で、タカハシさんは企業PR誌は原稿料が高いと言っていた。
資生堂が発刊している「花椿」に短篇を書き下ろしたばかりのタカハシさん。たしかに原稿料は高そうだ。いまも昔も。


クラシック、ジャズは「勉強」という感じがして離れた時期がある。(高橋)
posted at 19:32:21


片山さんの「音が聴こえない」レビューについて。つまり「このレコード買いたい!」と読者に思わせないレビュー。
posted at 19:34:07


クラシック音楽は斜陽産業でファンは保守的。しかしスタンダードが崩れるときに異分子が求められた。それが片山さん。このフレームは純文学における高橋源一郎の出現と似てる?
posted at 19:41:13


いまや細分化されすぎて「産業」として成り立たないクラシック音楽
posted at 19:48:27
「音楽」はまだまだ面白いが、「音楽産業」は斜陽。


岩波文庫の百冊、百科事典、レコード全集=教養主義(もうすでに崩壊している)。その昔、カラヤンコンサートに誘われても「そんなの聴きません」とアンチ教養主義の片山さん。いま思えば聴いときゃ良かった、と(笑)
posted at 19:53:37


帰るべきところを持たない故の、アイデンティティーの分散化。
posted at 20:08:04
アイデンティティーは複数持たないとダメ、とタカハシさん。


広島弁、関西弁、東京弁。ネイティブはなに?→活字です(高橋)
posted at 20:11:02
タカハシさんは尾道で生まれ、灘高に通い、41回もの引っ越しを重ね、現在は都内在住。


マイノリティーへの愛着。教養主義、権威主義、スタンダードに対してのアンチテーゼ。
posted at 20:13:25


巨人と近鉄はそんなに値打ちが違うのか?(片山)
posted at 20:14:19
片山さんは近鉄バファローズの熱心なファンだったらしい。
テレビ中継はなく、テレフォンサービスで途中経過を確認していたそう。マイノリティーへの愛着、は昔から変わらず。


村上春樹と高橋源一郎はそんなに値打ちが違うのか?(ひろニクル )
posted at 20:15:01
ねじまき鳥ひろニクル、なんてハンドルネームを掲げながら、
いまの僕にとっては「ハルキ」より「ゲンイチロウ」のほうが重要な作家になっている。


誰よりも早く面白いものを見つけて紹介したい、というのが書評を書くモチベーションのひとつ。(高橋)
posted at 20:20:04
面白いものを「断言する」というニュアンスだったかもしれない。
山田詠美との共著「顰蹙文学カフェ」の中でタカハシさんは、文芸評論家・江藤淳について、
「その作品の新しさを見つけたと思ったら、誰よりも先に、責任を持って断言する」点がすごいと述べている。


現代音楽はコンテキスト抜きで聴けるの?(高橋) いや、そういうわけでもない。注釈付きで楽しいものは注釈付きで聴けばいい(片山)
posted at 20:27:33
「現代音楽」の部分はそのまま「純文学」に置換することができる。


迷いに迷って本を買うのはやめました!やはりサインのために同じ 本を買うことはできませんでした。先生すみません。著作は全部買ってるんで今回は許して下さい!
posted at 20:43:17


ちなみにイベントスペースで販売されていたのは「13日間で名文~」と「ゴーストバスターズ」。宛名が入ること、一言でもお話しさせていただけること、少し悔いがあるといえばあるけれど、またチャンスはあるでしょう。
posted at 20:48:03


イベントでは、アイデンティティー分裂(分散)のくだりが一番面白かった。そして、もはや小島信夫の新作が読めなくなったいま、僕が帰依する作家は高橋源一郎しかいないのではないかという思いを強くした(信者ですね・笑)
posted at 20:58:47


帰宅なう
posted at 20:59:30



■ 恋の冒険小説/H2O


> ニクルさんごぶさたですー。おぉです。
> しろくまちゃんに思わず反応!
> イラスト見るだけでホットケーキが食べたくなりますよねーおっとよだれが。
> あの積み重なったのが異様にそそるんです。
> 私の実家も絵本がたくさんあって、小さい頃はよく丸暗記してました。
> 「これはのみのぴこ」という絵本の内容は、いまだに全部言えます。
> 我ながら子供の頃の記憶ってすごいと思いますよ(笑)
> ベビちゃんの脳内もものすごい勢いで細胞が活動してるんでしょうねぇー。
> 絵本を読むベビちゃんの後ろ姿に、小宇宙を感じます!!


おぉさん、お久しぶりです。小宇宙と書いてコスモと読む聖闘士星矢世代のひろニクルです。
そうそう、ホットケーキが本当においしそうなんですよね。あの出来上がりまでの工程図も。
しろくまちゃんとこぐまちゃんで仲良く食べて、食後にはきちんとお皿洗うのも偉いなー、と。
「これはのみのぴこ」は谷川俊太郎+和田誠ですか。今度書店に行ったら見てみますね。
刷り込みって神秘的なほどすごいんですよね。たくさん読み聞かせてあげたいと思います。



メッセージはお気軽にどうぞ。

趣味::高橋源一郎


「物語の物語」を探す物語

2010.03.30



そもそも資生堂が月刊誌を出していること自体、僕は全然知らなかったのですが、
どうやらこの「花椿」という雑誌はずーっと昔からある由緒正しきものらしいですね。
現在は、「よむ花椿」と「みる花椿」が交互に隔月で刊行されているようです。定価100円也。

最新号である718号に高橋源一郎の書き下ろし小説「物語の物語」が掲載されているという情報を入手、
いてもたってもいられず、リブロ池袋本店へ。雑誌コーナーには見当たらず店員に確認すると、「2Fです」。
「あ、そうですか」「在庫を確認しますのでお待ち下さい」と5分ほど待たされ、結局「売り切れました」。がくっ。
冷静に思い起こせば、いまだかつて、探していた本がリブロで見つかった記憶がほとんどないんですが・・・。
僕の趣味がマニアックなわけではなく、すごく在庫が少ないか、すごく売れているか、だと思うんですけどね。
とりあえず西武のクラブオンポイントが付与されるから優先的に利用しているけど、正直ちょっと頼りない感じ。

となれば、困ったときのジュンク堂ですよ。ジュンク堂はすごいですね。臆面もなく堂々とスケール勝負です。
ぎっしり詰め込まれた書架を見て「図書館」と揶揄する人もいるけど、それがいったいどうしたと言わんばかり。
いわゆるリアル書店は、ネット書店への対抗策として提案型の売場作りやイベント施策などに腐心していて、
そのアイデアと行動力と努力は尊敬に値するけれど、つまるところ僕は「品揃え」で書店を選んでしまうと思う。

あ、話が逸れました。「花椿」ですね。ジュンク堂のカウンターで、物腰柔らかそうな男性スタッフに在庫を確認。
その場でしばらく待っていると、「こちらでよろしいでしょうか?」と。やったー、これですこれです!ハイ、100円。

> かの『千一夜物語』から50数年後、19,999日目の夜に王妃シェヘラザードがシャハリアール王に語った最後の物語。
> すっかり老いさらばえたドン・キホーテやピーターパン、リア王たちが繰り広げる物語です。


花椿公式サイトに記載されている「物語の物語」のあらすじを頭の片隅に置きながら、帰宅後、一息に読了!
氏が得意とするパロディ的手法が駆使された寓話・ファンタジー。ドナルド・バーセルミの「王」を想起させる雰囲気も。
老いた登場人物がシニカルでチャーミングなんですよね。それでいて、読後には不思議なもの悲しさが残ります。
白眉はラストシーン手前、リア王とドン・キホーテの会話です。「物語」の登場人物による、内側からの「物語」の解体。
どんなに名声を得た人物もいつか必ず人々の記憶から「忘れ去られ」、やがて静かに「退場」していく運命にあります。
こういった場面を描くときの高橋源一郎は、もう筆舌に尽くしがたいほどの素晴らしさ。言うなれば、無敵
「さようなら、ギャングたち」「優雅で感傷的な日本野球」「ペンギン村に陽は落ちて」といった過去の名作しかり、
「いつかソウル・トレインに乗る日まで」といった近年の作品でも、その無敵っぷりは十分に証明されているのです。



ちなみに、先日予約した高橋源一郎トークセッション@ジュンク堂はすでに満員御礼でした。4月17日が楽しみ!


■ ばらの花/くるり



メッセージはお気軽にどうぞ。

趣味::高橋源一郎


実録・高橋源一郎トークセッション予約への道

2010.03.04

妻ニクルさん、これ行ってもいい? http://bit.ly/9QeOZ2
posted at 16:28:20

どうぞ~。並ぶの?
posted at 17:21:55

ありがっと。あらかじめ来店するか電話で予約なのです。定員40名だからさっそく今日の帰りにでも行ってみますー。
posted at 17:26:54

気をつけて~。
posted at 17:35:14

予約完了!超たのしみ。
posted at 19:43:24

池袋のジュンク堂で高橋源一郎のトークイベント予約してきたんだけど、サービスカウンターの店員さんの丁寧な応対が大変好印象でした。
posted at 23:04:58

ついでにリブロで乱歩2冊購入。ポプラ文庫「鉄人Q」と、光文社文庫「緑衣の鬼」。光文社文庫の乱歩全集はコンプリートまで残り6冊!
posted at 23:08:03


■ きみとぼく/真心ブラザーズ


> こんばんは、りるです。
>
> 「Focus」発売から1年たちましたね。
> 1年前は「Focus」とWBCに夢中になってました。
> 発売日に地元のタワレコに行ったら売れ切れてました。
> 店員さんの話では1枚入荷したら、売れてしまったとのこと。
> 注文して無事手にいれたのですが、その思いを川柳にして投稿したら、採用されましたよ(笑)
> 懐かしいです。リミエディに方には別の川柳が採用されました(あの時はWBCモードだったんで・・・)


WBCは一瞬ボクシングかと思いましたよこんばんは。そして、祝・「Focus」発売1周年!こりゃめでたい。
月並みな言い方だけど、1年ってあっというまですね。この1年で数え切れないくらい「Focus」聴きました。
店舗によって規模はまちまちとはいえ、タワレコたるものイニシャル入荷数が1枚とは寂しい限りですよね。
ていうか、いま先生オフィシャル確認したら、りるさん川柳3本も採用されてるじゃないですか(笑) すごい。



メッセージはお気軽にどうぞ。

趣味::高橋源一郎


高橋源一郎におけるポストモダンの責務と、鉄面皮のびっくり日記について

2009.08.06

(どうか笑わないでほしい。このエントリをすべて書き上げるのに丸2週間もかかったのである)




ドナルド・バーセルミ「シティ・ライフ」を買いました。Amazonマーケットプレイスで670円でした。
アメリカのポストモダン文学の大家がドナルド・バーセルミだとすれば、日本のそれは高橋源一郎です。
競馬エッセイものを除けば、ほとんどの著作が本棚に並んでいるほど熱心な高橋源一郎ファンの僕ですが、
絶版かつ未文庫化の「ゴヂラ」(2001年)だけは、これまでなぜか見つけることができずにいたのでした。
それが、バーセルミついでにAmazonで検索してみたところ、100円で発見。マーケットプレイスおそるべし。



伝説の初期三部作と近年の文豪メタ路線をつなぐターニングポイント的な位置づけの「ゴヂラ」ですが、
現在ではほとんど顧みられることがない"忘れられた作品"です。つまり、世間的には"失敗作"扱いです。
今回ほぼ1日かからず読了しましたが、僕はただただ楽しく源一郎ワールドを堪能することができました。

物語の途中、<作者からのお知らせ>という章で突然作者である高橋源一郎が現れ、
「ごめん、この小説うまくまとめられないかも…」と、自ら物語の行き詰まりを宣言してしまいます。
虚構と現実の境界線が決壊し、フィクションの中に現実が流入すると、小説世界は客体化・舞台化します。
つまり、すべての登場人物は小説の中でその役柄を「演じていた」のだという認識が、読者側に生まれます。
アニメ「巨人の星」最終回では、主人公の星飛雄馬が「みなさん、長い間ご覧頂きましてありがとうございました」と、
視聴者に向かって挨拶する場面がありますが、その瞬間、僕たちは「長いお芝居」を見ていたことに気が付くのです。

小島信夫の「別れる理由」を例に出すまでもなく、現実世界が小説の内部へ踏み込んでしまうトリッキーさは、
メタ小説としての緊張感を持続させないと、グダグダな展開のまま放り出されてジ・エンドという危険性があります。
しかし、高橋源一郎は(やや強引ながらも)「ゴヂラ」という作品を、あるべき地点へ見事に着地させたのでした。
タイトルになっている"ゴヂラ"が、ついにその姿を現す最終章の素晴らしさは筆舌に尽くしがたいほどです。
最終章に至るまでの道程は一言一句すべて、最終章の長い前フリだったのではないかと思えてしまいます。
そういった意味では、濃厚なポエジーの断片をまき散らすいつもの高橋源一郎的手法を踏襲していながらも、
実は三島由紀夫のように、明確に規程された結末に向けて収斂していく小説作法を実践したのかもしれません。

安易な自己模倣、と高橋源一郎の小説を批判することは簡単でしょう。
しかし、プログレッシヴ・ロックと呼ばれるジャンルがその名に反して旧態依然とした音楽になってしまったように、
ポストモダンという方法論が文学の世界においてすでに無力化してしまったことを、彼は重々承知しているはずです。
承知していながら確信的にポストモダンを演じてみせるその姿は、あまりに滑稽で愚かしく、だからこそ純粋なのです。

先週土曜日、かように滑稽で愚かしく純粋な高橋源一郎先生の「夏の文学教室」に参加してきました。
僕の乏しい理解力と筆力では、偉大なる先生が伝えたかったことの半分も再現できないので、
心の中と手帳の中にしたためるにとどめておくことにしますが、途中でこんな発言がありました。

誰にでもわかる小説を書いてミリオンセラーを連発するか、銀行強盗するか(笑)」

やはり、高橋源一郎の文学は巧みにコントロールされた"意識的な"ポストモダンなのです。
少なくとも、自分の小説は「誰にでもわかる小説ではない」ということを自覚しているわけですから。
(対して小島信夫は"無意識の"ポストモダンであり、作者の手を離れ、作品そのものが自律性を持つ)

高橋源一郎は拘置所に入っていた二十歳以降、言葉が話せなくなり何も書けなくなったそうです。失語症です。
やがて、リハビリとして小説を書き始めました。「ぼくはこのコップが好きだ」という一文を一日中書き続けたそうです。

+ + + + +

さて、妻ニクルがいつのまにやら臨月に突入しました(担当の先生の見解では予定日より早く生まれそうな感じ)
僕はといえば食べたり笑ったり目薬さしたり寝坊したりしながらそれなりに楽しく日々を更新して生きているわけですが、
びっくり日記を更新することに関しては、訪問者への誠実さを欠いていると言わざるをえません。誠に申し訳ありません。
試しに画面左のサイドバーから「DIARY ARCHIVES」をクリックしてみて下さい。5月は9件、6月は7件、7月は4件・・・。
そして、いま書いているこの日記は8月唯一のエントリになると思います。ベビニクルの名前を考えなくてはいけないのです。

僕は決して読者不在を嘆いているわけでもないし、日記への直接アクセスの多さに辟易しているわけでもなく、
まして気落ちしているわけでもありません。でも、何を書こうとしても冴えない。自分に響かない。手応えがない。
以前のように勢いまかせで書けないというか、余計なことばかり考えてしまうというか・・・いやーもう歳ですね(笑)
びっくりニュースはどちらかというと箇条書きの感覚に近いので、それほど更新に悩むことはありません)

例えば、僕が書く「あいうえお」という一文と、地球の裏側の見ず知らずの誰かが書く「あいうえお」は等価なのかなぁと。
署名であれ匿名であれ価値は同じ。苦しんで書いた「あいうえお」もコピペした「あいうえお」も価値は同じなのかなぁと。
そもそもこんなに自分のことばかり書いて、それを第三者が読んでくれるという自信なんてあるわけないんですけどね。
わざわざ悩むために毎月ドメインとサーバー料金を払っているような気がしてきました。なんてナンセンスなんでしょう。

ねじまき鳥ひろニクルは文字と文字との連鎖の中にしか存在しない。そして常に「コトバ」に束縛されている!

世間ではTwitterをはじめとする「つぶやきミニブログ」系のSNSが本格的に流行しているようですね。
僕も日本語版がスタートする前だったか、スタート直後だったか、アカウントだけは取りました。Twitterの。
でも、「つぶやく」ことで自分の言葉が磨耗していくのがコワくて、いままで一度もつぶやいたことがありません。
わかりやすく言えば、つぶやきまくる→びっくり日記に書くことがなくなる→ネタ切れ、という事態を懸念したのです。
びっくり日記の他に、mixi(最近はあまり更新してない)やらTwitterやら、あちこちに書きまくるバイタリティーなんてない。
しかし、逆に「つぶやく」ことが「書く」という行為を促してくれることがあるかもしれません。僕も「コトバ」のリハビリが必要?

「ぼくはこのコップが好きだ」
「ぼくはこのコップが好きだ」
「ぼくはこのコップが好きだ」
「ぼくはロボコップが好きだ」
「ぼくはこのコップが好きだ」


(本来ならばいつくかのエントリに分けるべき内容だが、混濁への衝動がこんなダルい文章を僕に書かせたのである)


■ 8月の長い夜/TM NETWORK


> 先生とは別のもう一人のKK情報。
>
> 突然の活動終了&またもや国内脱出で海外でボランティア活動してたKKが
> 半年振りにラジオ出演しましたよ。ちょくちょくレコーディングはしているけど、
> 今後はもうレコード会社や事務所に所属しての活動は興味が無いのでしないそうです。
> ラジオでの登場紹介も本名での紹介だったので、
> ブログのタイトルが今後の活動名義なのかも結局不明のままです。
>
> 以上、KK情報でした。


貴重な情報ありがとうございます。そちらのKKさんのことは、完全に忘れておりました。
例のブログも最初はまめにチェックしてたんですけど、途中からなんかもうどうでもよくなった(笑)
完全にセルフプロデュースで活動していくということですね。昔の曲はもう歌わないんでしょうか。
KKといえば、遅くなりましたがカヒミさんご結婚おめでとうございます!ドレス姿きれい過ぎでした。

> こんにちは、sproutです。
> MIXUPイベントは残念ながら不参加だったのですが、
> レポから当日の様子が伝わってきました。ありがとうございます。
> 今回初めて先生の歌を聴いて惚れた人もいるかもしれませんねー。
> そんな事を妄想しながら、今回のセットリストプレイリスト作ったり、
> リミエディDVDを見たりして、暑さを凌ごうと思います。
> ニクルファミリーも皆様ご自愛くださいませ。ではでは。


sproutさん、こんにちは。拙いライブレポで申し訳ないです・・・。ありがとうございます。
イベント当日はハリーさんと帰りの電車が一緒で、少しsproutさんのこともお話ししましたよ。
実は世田谷のイベントで牧村さんと津田さんがどんなことを話したのか結構気になっておりまして、
ハリーさんとsproutさんのご報告を気長に待っています!・・・と言ったらプレッシャーでしょうか(笑)

> ひろさんこんにちわ!
> この度も2009.07.24恵比寿リキッドルームの詳細レポありがとうございます。
> びっくりはいつ訪問しても楽しめます。たとえライブに参加してなくても行った気分に・・・
> そのくらい細かいのでファンにとってありがたい存在です。レポはメモるんですか?
> ライブに集中している中とても冷静ですよね。誰でもできることではありません。
>
> ところで秋のツアー札幌やっと実現です。
> 『LIVE without electricity』を目の当たりで体感できることに今からワクワクなんですけど、
> ひろさんは札幌遠征はされるでしょうか?ベビニクルさんのことで大忙しになっていますでしょうか?
> 札幌来られましたら、ライブ後のノリのまま、ススキノにあるビートルズライブハウスにご案内したいですね。
> 黒沢さん、遠山さんも巻き込んでみんなで(お店は狭いのです)繰り出せたら最高ですけどね!


メッセージありがとうございます。ライブ中も冷静なひろさんです。
ライブが終わった直後、まだ記憶が鮮明なうちに重要なポイントをメモするくらいですよ。特に最近は。
ライブレポの不正確さでは人後に落ちないと自負する僕ですから、いかに想像力で補完するかが勝負です(笑)
札幌決定、良かったですね。ベビニクルが生まれたらさすがに遠征遠征というわけにもいかなくなりますねぇ。
でも、先生のおかげで今まで幸せすぎるくらいたくさん遠征することができたし、もう心置きなく引退します。
札幌アコースティックライブは間違いなく素晴らしいものになると思いますよ。ご報告お待ちしております。



メッセージはお気軽にどうぞ。

趣味::高橋源一郎


move