:: びっくり日記

古本屋さんかく

2009.03.19

先日、吉祥寺をぶらぶら散歩していると見覚えのない古本屋の看板を発見しまして、
民家と民家の間の細い路地をにゅるにゅる進入していくと、目の前に忽然と店舗が出現。
どうやら「古本屋さんかく」というのがお店の名前のようです。ごめんくださーい。

ひゃー。

お店に入るなり声にならない声を上げてしまいました。ここは夢の館か。一気にテンションMAX。
岩波やちくまなどの絶版文庫が中心の品揃えで、足穂や澁澤コーナーなどもあり。詩集も充実。
特に現在では入手困難な八木重吉詩集(ちくま文庫)は初めて見ました。とりあえず表紙ガン見。

店内は決して広いとは言えませんが、とにかく純文学ファンにはたまらない空間でしょう。
古井由吉の文庫がこんなに充実しているお店を他に知りません。買えるものなら全部買いたい。
ま、そういった方向性のお店なので、講談社文芸文庫も当然のようにずらりと並んでおりまして、
ずーっと探していた森敦の「浄土」を見つけたんですが、絶版ゆえに定価以上のプレミア価格。
持ち合わせが少なかったので見送りましたが、次回行ったときに残っていたら絶対買うのである。

それにしても、絶版文庫は利益率がよくないから取り扱いたくないと明言する古書店もある中、
こんなに硬派な、一本筋の通った古書店が吉祥寺の路地裏にひっそり存在していたとは驚きです。
帰宅後、さっそくネットで検索してみたところ、店主のブログがやはりひっそりとありました。
入荷商品を淡々と書き連ねているだけですが、ぜひその内容を見て下さい。どうですかこの渋さ。

とかなんとか言いながらも、結局ブックオフの105円棚のチェックも怠らない貧乏性な僕(笑)
高橋源一郎の伝説の初期3部作は、現在すべて講談社文芸文庫にラインナップされておりますが、
オリジナルの講談社文庫版「ギャング」、新潮文庫版「火星人」を見つけたので迷わず捕獲しました。




■ 迷宮の少年たち/L⇔R


> いつもメッセージごめんなさい。私一人、疑問に思ってもしょうがないのですが、
> エルアールの時からそうなのですが黒沢さんのライブはアンコールも初めからプログラムに入っているようで。
> この頃の2アンコールにはびっくりしているのですが。
> それはいいのですがみんなでアンコール!と言ってみませんか?いつの間にか拍手になってしまったような・・。
> それが黒沢さんのライブのやり方ならいいのですが。これから追加公演あるのでみんなでさけんでみませんか?
> なにか黒沢さんの為にできることみんなでできないでしょうかね~?
> ひろニクルさんはアンコ~ルコール嫌ですか?みなさんはどうですか?変なことごめんなさい。


メッセージありがとうございます。アンコールのあり方についてはいつの時代も様々な意見交換がされてきました。
誤解を恐れずに言えば、僕はあまりアンコールに固執するタイプではありません。決して冷めているわけでもなく、
当然アンコールそのものを否定しているわけでもありません。そりゃアンコールは嬉しい。拍手だってします。
だけど、例えば「Wアンコールがなくて残念でした」といった感想は、何か筋違いのような気が常々しておりまして。
たしかに「年末歌い納め」のトリプルアンコールは感動的だったけど、アンコールはあくまでアンコールでしかなく。
それよりライブ本編でどれだけミュージシャンと観客がエネルギー交感できるかということのほうが重要だと思うし、
それが充実した時間になれば僕たちの想いは必ず伝わるし、アンコールへと衝き動かす本質的な力になると考えます。
繰り返しになりますが、アンコールは否定しません。だけど、それがライブの価値を決めるものではないと思います。
拍手であろうが叫び声であろうが、つまりその日のライブが最高のものであれば、あとはなるようになるかなぁ、と(笑)
うまく説明できず、もし気を悪くされたらすみません。もちろん追加公演も楽しみです。盛り上がっていきましょー!



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趣味::高橋源一郎


寄り道の成果を報告しておこうじゃないか

2009.02.22



近所のブックオフにて。高橋源一郎「平凡王」。角川文庫。105円。
単行本はすでに持っているけど、源一郎フリークの僕は迷わず文庫も購入。
なにしろ巻末の「著者あとがき」を読めることが文庫版の楽しみのひとつ。



梅ヶ丘駅近くで偶然見つけたツヅキ堂書店にて。なんと文庫3冊で210円。ブックオフより安い。
安部公房「カンガルー・ノート」、川上弘美「おめでとう」、ジャック・タチ「ぼくの伯父さんの休暇」。



世田谷通りのブックオフにて。宮本輝特集の「IN POCKET」。105円。
高校時代に全作品を読破するほど宮本輝にハマるきっかけとなった思い出の一冊。



予約していた高橋源一郎の最新評論「大人にはわからない日本文学史」がbk1より到着。装丁白眉。
「いつかソウル・トレインに乗る日まで」「おじさんは白馬に乗って」に続き、源ちゃん怒涛の刊行ペース。
Amazonの対応に嫌気が差し、新刊書籍のオンライン購入はすべてbk1に乗り替えることにしたんだ。


■ Somewhere I can go/黒沢健一


> こんちは!
>
> 2月22日のfeatureでレコード室の棚から嬉しそうに探してきたのは何のレコードですか??
> シフォンズ以外分らないです(笑)
>
> ラジオ、見事に全部聴けません!!聴きたかった・・・。隣の新潟に引っ越したい・・・。


4枚並んでいる写真の一番左は、おっしゃるとおりシフォンズの「One Fine Day」ですね。
で、そのお隣のお隣(左から3番目)は、Ronny & The Daytonasの「G.T.O.」です。ホット・ロッド!
うーん、その他の2枚はわかりそうでわかりません。せめてもう少しジャケが見えていれば・・・。
左から2番目のレコードについては、最初は右上のロゴがEPICのロゴに見えていたんですけど、
じーっと眺めているうちにMercuryかなぁと思えてきて、最終的にはCapitolのような気もしてきて。
というわけで、すみませんわかりません!先生に直接訊いてみて下さい(笑)



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趣味::高橋源一郎


ザ・読書 2008A/W

2008.11.10



ここ2週間ほど、ひたすらカフカの「城」(新潮文庫)を読んでいるんですが、
ご存知のとおり非常に長大な作品なので、途中で飽きて他の本に浮気したりしつつも、
結局読了に向かって一文字ずつ、一行ずつ、一ページずつコツコツと歩を進めるほかなく、
腰を据えて長編と向き合うことで培われる忍耐力こそ読書力、との一念で活字を目で追い続けています。
往けども往けども城に辿り着けぬ主人公K。僕は最終ページまで辿り着けるのでしょうか。乞うご期待。



「城」の次に読みたい小説は、高橋源一郎の最新作「いつかソウル・トレインに乗る日まで」です。
出版社の紹介文には「著者初の、そして最後の超純愛小説」とありますが、おいちょっと待てぃ。
僕は「さようなら、ギャングたち」も純愛小説だと思うぞ。え、違うの?そうか、違うのか・・・。

この新刊、1,890円という価格に少し逡巡してしまうけど、それくらいケチっちゃダメね。
高いと思うなら文庫になるのを待てばいいと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
高橋源一郎ファンにとって「文庫落ちを待つ」という行為はリスキー以外のなにものでもなく、
彼の小説はその特異でアバンギャルドな性格ゆえに、文庫化されない作品が多数あり、
単行本が買える環境ならまだしも、初版のみで単行本も店頭から消えてしまうのです。
定番となることを拒絶する小説ばかり書くんだから仕方ないですね。それが高橋源一郎。
文芸評論はそこそこ評判になるし、実際によく売れて版を重ねているんですが、
小説となるとこれがなぜか驚くほど売れない。有名人なのにマイナー作家というねじれ現象。

顔と名前は知っていても、小説を読んだことがあるという人がいったいどれだけいるのでしょうか。
たとえば村上春樹を小脇に抱えて電車に乗っている瀟洒な身なりの女性は見かけたことはあっても、
血走った目で高橋源一郎を一心不乱に読み耽っている危ない女性は一度も見たことがありません。

電車の中でジェシ・エド・デイヴィス「ウルル」のライナーを読んでいる女の子を見つけて、
主人公が一目惚れしてしまうという場面が本秀康さんの名著「レコスケくん」にはありますが、
その気持ちがいまの僕にはわかるような気がします。電車で源一郎を読む女性、最高じゃないですか。

そんな高橋源一郎先生の著作を含む古本5冊が、先日ブックオフオンラインから届きました。
簡易包装、というか、本当に紙袋にボボンとブチこんで送っただけという体裁にビビりました。
実店舗と違って、一冊一冊の状態を確認することができないデメリットがあるにしても、
いくつも店舗を歩き回って徒労に終わることを思えば、ネット注文は便利便利ベン・リー。



他にも、夏頃にひっそりと車谷長吉の初期作品集が文庫化されていて、
偶然に店頭で見つけたときには買わなかったんだけど、以来ずっと気になっています。
車谷長吉や嘉村礒多の小説を読むと胸糞悪くなって、挙句には泣きたくなってくるのですが、
その理由を考えてみると、つまり自分の内奥にある強い忌避感や警戒心といったメンタリティーを、
ことごとく刺激して抉り出してしまうからなんですね。優れた純文学には例外なくそういう毒性があります。

そんなこんなでもちろん我が家には小島信夫の未読本もゴッソリ積み重なっている次第。
でもホントにいま一番読みたいのは「オバQ」なんです。いいかげん復刻してほしい。ドロンパに会いたい。


■ Rainy Valentine/UP-BEAT


> 小室先生は某岡村ちゃんみたいに存在自体でか過ぎて業界から消せないからDVD再発するよ。

いざとなったら安い中古VHS見つけてきてDVD-Rに焼いちゃいます(笑)



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趣味::高橋源一郎


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