:: びっくり日記

EPIC、お気に召さないか?

2003.02.22

大盛況!!

えーと。EPIC LIVE25、とてつもなく感動しました。マ・ジ・で!!

「爆笑シーンの連続でレポ書けるかわからない」
なんてふざけた発言をしていた僕ですが、前言撤回!!
「感動シーンの連続でレポ書けません!!」

言っちゃ悪いけどさー、今回の出演者の中に“現役力”のあるアーティストは一人もいないわけで。
カリスマとして永遠の“現役力”を得た岡村靖幸の出演もなく。
でもね、結果的にこの壮大な懐メロイベントのお値段7800は決して高くなかった。本当に大満足。

+ + + + +

トップバッターは鈴木雅之
随分と豪華なオープニングアクトだなオイ。あわわわ。いきなり“ランナウェイ”かいっ。
曲の途中、ステージ後方からトランペットを手に忍び寄る人影が。

あっ!! く、くわマンだよーー♪

大観衆の熱い歓迎を受け、見事なソロを披露した桑野信義
続く“め組の人”(ファンキー!! 腰に来るぜぃ)でもイントロから大活躍。
そこにはグルメ番組のお気楽レポーターの面影は微塵もなく、まさしくミュージシャン桑野信義。
そして、どこからともなく地響きがして鈴木聖美乱入!!参加!!

聖美、声でけー(笑)

ベタベタだなぁと思いつつも、あのイントロが流れてきた瞬間、おおおーすげー!! とマジで感動したのだ。
“ロンリーチャップリン”。圧倒的な存在感で楽曲を制圧する聖美がすごすぎる。
やはりこの曲は彼女のものだと実感した次第であります。

“ガラス越しに消えた夏”のワンコーラス終了後にこの曲の作者である大沢誉志幸登場。
“そして僕は途方に暮れる”を含む数曲を披露。
「こんなyeah、イベントyeah、もうないかもyeah。ノープロブレムyeah」
MCは常にこんな調子でしたね(笑)
ヴォーカルの印象は、誤解を恐れず言えば・・・飛鳥涼+甲斐よしひろ。ふ、福岡の匂い!?

続いて登場したのは、小比類巻かほる。髪、長ぇ!!
曲はやはり“HOLD ON ME”。TDKのカセットテープのCMを思い出す。
まだ当時は録音メディアとして、カセットテープが主流だったよね。
ノーマル、ハイポジ(クローム)、メタルというランクがあって、録音するアーティストの格によってその中から選ぶのが楽しかった。
そしてその頃、小比類巻は“学園祭の女王”と呼ばれていたのだった。
「今回のEPIC LIVE、私と彼が最年少なんです」と紹介されて、颯爽とステージに現われたあのスリムな男子は…

ままま、松BOWーーーーーーーー!!

松岡英明。通称、松BOW。一部ファンは“ひでBOW”と呼ぶ(らしい)。
おおおぅ、本人だよ本人だよ。大阪に続いて東京でも出てくれたのね!!
この瞬間のために僕は、松BOW博士のヒロコロックさんからアルバム「以心伝心」を借りてせっせと予習していたのだ。
“VIRGINS”とか“Living in a false scene”を聴いて「ほ~、こんな時代にこんな新鮮なアプローチを・・・」と驚きながら。

もう彼は間違いなく現世のピーターパンだね。
何ひとつ当時から変わってないんじゃないだろうか。顔も、体型も、声も。
そして歌も。下手にもなってなければ上手くもなっていない!!(笑)
「僕の大切な親友の分も気持ちを込めて歌います」と、岡村靖幸ファンの涙を誘う言葉に続いて始まった曲は・・・

♪静かなよーるーをー汚す靴音~

ホラきた!! 一撃必殺の“以心伝心”だよっ!!
“こんな大観衆の前で僕うれしいなー”と言わんばかりに、ステージ上を駆け回る松BOWの姿から、一瞬たりとも目が離せない。
真紅の上下スーツが目に優しくない。指先のしなやかな動きまで、とにかくセクシー(*´∇`*)
曲中に岡村ちゃんの“だいすき”のフレーズを挟み込んだりして。そんな献身的ともいえる松BOWの健気さに胸を打たれた!!
間違いなく今回のイベントのSHINING STARは彼だったぁー!!

あ、熱くなりすぎました・・・。
まぁまぁ、落ち着けひろりん。

大江千里。想像以上の盛り上がり。
それにしても、巧みに観客の心を引き込んでいくMCは、まさに一流。あ、声はちゃんと聞こえましたよ(笑)

しばしのインターバルをはさんで、THE MODSの登場。
すげー大音量!! 大江千里の後だからかな?(笑)
トイレに立つ人が多かったような気が…。今回の出演者の中でも毛色が違うからねぇ。仕方ないかな。
森山氏のかき鳴らすテレキャスターから弾き出される重低音ゴリゴリの野生的なロックは、男気溢れてかっこよかった。

続いて元ストリート・スライダーズのハリーがギター1本で登場。
 ↓
「ハリーです」
 ↓
さらっと1曲。
 ↓
「ありがとう」
 ↓
退場。
 ↓
ポカーン

セット替えの間、大型スクリーンでは'78年のBOSTON“Don't Look Back”から、
'87年のTM NETWORK“Self Control”まで、EPICアーティストの歴史を辿るVTRが流されました。

やがてステージに現れたのは、ば、ば、バービーボーイズ!!!!
メンバー勢揃い!? おいおい、夢じゃないだろうなー!?
サックスを吹きまくるKONTAと、クルクルとひたすら舞う杏子。Ayuのバックでおなじみのベーシスト、エンリケ。
実は解散ライブで一番声援が多かったらしい、ドラムのコイソ。そして、あのときのままクールにギターを弾くイマサ!!
わー、ホントにあのバービーが目の前にいるんだー!! 大・興・奮!!
1本のマイクスタンドに向かって歌うKONTAとイマサの姿が会場のスクリーンに映し出された瞬間、涙が出た。
それにしても、イマサのギターのなんとカッコイイことよ。中学生当時、誰もが彼のプレイをコピーしようと挑戦したものだ。
小手先のテクニックのぬるーいプレイでごまかしている世の中のギタリスト達よ、今こそバービーを聴きなさい!!
イマサのギターを聴きなさい!! 覚醒せよー!!!!

あ、熱くなりすぎました・・・。
まぁまぁ、落ち着けひろりん。

が、落ち着いていられるわけもなく。
聴き覚えのある雄大なイントロが流れる中、ステージ上に浮かび上がる3人のシルエット…
あぁ、まさか彼らが…ダメダメダメダメぇー!!

TM NETWORKだーーーーーーーー!!

「ほ、本物だよね…」
なにがなんだかわからず既に放心状態の僕。

♪揺れてる君のダンシング・シャドー

うわーん!! “Be Togather”だー!! やっぱり本物だよー!!!!
僕の蛇行運転しまくりの音楽遍歴は、小学生の頃「ザ・ベストテン」で聴いたTMの“Resistance”が始まり。
それからTMのCDをすべて買い揃え、繰り返し繰り返し聴いた・・・。
今日、この代々木の会場を包み込んだ音の粒ひとつひとつと、すっかり身体に沁みこんでいる愛しいあのメロディとリズムが、
当時の日常風景と静かに重なって、思わずボロボロ泣いてしまいました。

ヘヴィ・メタルを聴こうが、ビーチ・ボーイズを聴こうが、L⇔Rを聴こうが、今後僕の音楽の趣味がどんなに変転しようとも、
心の中の絶対剥ぎ取れない深ーい部分にTM NETWORKは確実に存在し続けるんだと思う。

ふぅ・・・。

小室先生のピアノをバックに歌う渡辺美里も堪能。
会場総立ちの“恋したっていいじゃない”を聴きながら、
あぁこの曲を岡村ちゃんと歌うシーンが観たかったなぁなんて物思いに耽りつつ、ゆっくりと終演のときは近づいていきました。

もちろんトリは、佐野元春
うーむ、この奇妙な違和感はなんだろう・・・。
大御所ゆえの“現役力”が、ノスタルジックな会場の空気をどこか異質なものへと変容させてしまったのか。
出演者全員で歌われた“Someday”。松BOWに全神経が集中していたので、ほとんど曲聴いてません(笑)
大沢誉志幸にマイク譲ったり、小室先生をステージ中央に導いたり。先輩ミュージシャンに気を遣う姿が微笑ましくってさー。

あ、ちなみにコイソさんは8ビートのリズムキープできてませんでした(笑)

幕が降りた会場に流れ出したのは、岡村ちゃんの“カルアミルク"。
あー、EPICも精一杯の心意気を示したのね・・・。
続けて流れた“ターザンボーイ”を口ずさみながら、魂の浄化を終えた僕は会場をあとにしたのでした。

EPICのビート感はあまりにEPIC的であったために、多様性を包み込んだ'90年代以降の新しい語法のなかで輝きを失い、
まるで'80年代を象徴する古ぼけた置物のように扱われてきた。でも、この素晴らしいイベントを前にそんなことはどうでも良い。
出演したアーティストは皆、本心では現在進行形の音楽性であったり未来への新しいベクトルを提示したかったと思う。
でも、そんな気持ちをグググッと抑えて、時代に置き去りにされてしまった“あの頃”の空気を再現することにひたすら心を砕いてくれた。
そしてお客さんはその空気を純粋にお祭りとして楽しんだ。
みんなが愛したあの“ダサい”音楽を、ひとりひとりが当時の思い出を慈しみながら口ずさんで。
ただただノスタルジーに耽溺する贅沢な時間を前にして、やれ新しいだの、やれ古いだの、いったい何がどうしたというのだ。

+ + + + +

お隣に座っていた主婦2人の会話。

「そういえば私のお父さん、松岡英明の家建てたんだよ」
「えー、やっぱり豪邸なの?」
「ううん、そうでもないって」


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