先輩とコンビニにお昼ごはんを買いに行って会社へと戻る道すがら、
プロレス好きの先輩が「そういえばドリー・ファンク引退だってね」とポツリ。
えええぇぇぇぇーーー!!(絶叫)
人類にとってこれほど重要な情報を僕は知らなかったんです。慌ててチケットを確保しました。
帰宅後、プロレスに詳しくない妻ニクルにドリー・ファンクの偉大さを熱く語れど、
なにせ長州力を故人だと思い込んでいたほどなので(笑)、当然リアクションは薄いわけです。
「音楽の世界で例えるならビートルズみたいなものって伝えておけ」なんて先輩は言います。
いくらなんでもビートルズを引き合いに出すのは大げさじゃないかという気がしたんだけど、
ドリーという存在について「ここにはプロレスのすべてがあります」という西村修の言葉を聞くと、
まんざら大げさな比喩でもないんじゃなかろうかという気がしてくるから不思議ですね。
弟であるテリー・ファンクのように引退と復帰を繰り返すのではと揶揄する向きもありますが、
生真面目で紳士的なドリー・ファンクに限ってそんなデタラメなことはしないと僕は確信しています。
さぁプロレス界のリビング・レジェンド、ドリー・ファンク最後の勇姿を目に焼き付けるのだ!
熱く燃えたぎるプロレス魂を胸に秘め、気合充分に会場である両国国技館まで行ってきました。
試合前にロビーで開催されたサイン会(ドリーと西村)
ドリー愛用の品々はチャリティーオークションに
ドリー・ファンク・ジュニアの現役ラストファイトは、ドリー・西村組vs天龍・渕組のタッグマッチ。
まずはこのマッチメイクの渋さにしびれますね。ドリー以外の3人は全員ドリーの「弟子」なのです。
ドリーが先陣。渕との緊張感あふれる序盤ムーブを観客は息を呑んで見つめます。
序盤から大技が繰り出される近年のハイペースなレスリングに慣れてしまうと、
この、のらりくらりとした地味な試合運びにきっと退屈してしまうんじゃないかと思います。
だって、ただただ「腕の取り合い」と「力比べ」だけで5分間ですよ(笑)
でも僕はこの序盤の5分間を観て「あ、これがプロレスリングなんだ」と強く実感しました。
近年のプロレスは各選手の技術も向上してたしかに多種多様な表現が可能になったわけだけど、
反面、こういったクラシックレスリングが持つ「凄み」「味わい」というものが軽視されています。
時代遅れの技、ムーブはすべて西村修ひとりに託されているという現状は、決して健全ではありません。
ドリーの全盛期はとっくの昔に(それこそ僕がまだ四つん這いで歩いていた頃に)過ぎてしまったけれど、
エルボースマッシュ、コブラツイスト、ダブルアームスープレックス(!)、そしてスピニング・トーホールドなど、
眼前に繰り広げられた伝説の技の数々は、決して色褪せることなく輝いていました。ドリーは強い!
なにしろ伝家の宝刀スピニング・トーホールドの切れ味はすごかったです。回転足首固め。
ギブアップした渕の足首は無残にも破壊されてしまいました。凄惨な光景といってもいい。
プロレスごっこをするとわかるんですが、スピニング・トーホールドってそんなに痛くないです(笑)
子供の僕にはなぜこれが「必殺技」になるのか全然理解できなかった。だって痛くないんだもん。
でも、最初で最後のスピニング・トーホールドを生で見ることができてようやく気付いたのです。
相手の足首を壊してしまうほどの破壊力を生む「秘伝」のようなものが、
つまり、シニアから受け継いだファンクス家しか知り得ることの許されない領域があるということを。
さようなら、ドリー・ファンク・ジュニア。永遠のスピニング・トーホールド。
これからも多くの名レスラーを育てて下さい。どうかお元気で。
:: ドリー・ファンク・ジュニアが引退試合で勝利(産経ニュース)
:: フォトギャラリー(スポーツナビ)
■ スピニング・トーホールド/クリエイション
> ゾウの箸置きカワイイですね!
> 下北沢のどこで売ってるのか、よろしかったら教えて下さい。
僕たちが買ったお店ではもう在庫切れのようですが、
下北沢なら他にもGrindelwald(グリンデルワルド)という雑貨屋さんで売っていると思います。
駅北口を出て右にまっすぐ歩いて行くとサンドラッグがあります。その向かいの建物の2Fです。
それぞれ微妙に塗りや表情が違うので、じっくり吟味して選んで下さいね。
> 黒沢健一HPの「feature」の中の文章で、「貴族の方たち」と書いてあるのが、腰が低くてさらに笑えました。
> 金子有太
金子有太さん、こんにちは。
さらっと読んでしまいましたが、たしかに「貴族の方たち」という言い方は可笑しいですね(笑)
「貴族たち」で良いのでは思うのですが、そこはさすがに健一先生のお人柄がにじみ出ています。