:: びっくり日記

青空の扉

2010.06.07



浜田省吾「誰がために鐘は鳴る」や、角松敏生の凍結前のアルバム群に、僕は心惹かれる。
誤解を恐れずに言えば、鬱期の作品。彼らはそこで「もう歌えないよ」とはっきり宣言している。
仏のノーベル賞作家、ル・クレジオは「作家の生涯と作品を区別することはできない」と言うが、
その時期の作品には、まるで私小説のように、ミュージシャンの苦悩が色濃く投影されている。

実はここ1ヶ月ほど、浜田省吾の「青空の扉」を繰り返し聴いている。
長い鬱期を抜け、徹底的にポップミュージックの陽性を追求した、1996年のスタジオアルバムだ。
しかし僕は、ネガティブな省吾、すなわちネガショー期にファンになったという経緯があるために、
発売当時このアルバムを積極的に支持できなかった。ポジショーの歌なんて甘ったるいと思っていた。
1996年頃、僕の音楽の興味はすでにハードロック/ヘヴィメタルというジャンルへ移っていたとはいえ、
やはりいま自責の念に駆られずにはいられない。いったい僕は浜省の「何を聴いていた」というのか。

「青空の扉」を彼の最高傑作と評するファンも多いが、なるほどそれも納得という完成度なのである。
省吾の声も軽すぎず、かといってウェットすぎず、この時期が一番「らしい」声だったかもしれない。
なにより省吾本人もこの作品を「音楽の神様が与えてくれたご褒美のようなアルバム」と述懐している。
収録曲の中でも「彼女はブルー」は白眉。大げさではなく、100年に1つの奇跡のメロディーではないか。

さて、僕は浜田省吾ファンクラブに15年ぶりに再入会しようか悩んでいる。こっそり悩んでいる。
当時の会員番号は33000番台だったけれど、いまはどこまでカウントアップしているのだろう。
しかし、ファンクラブ入会よりもまず僕がやらなくてはいけないことは、「浜省」を辞書登録することである。


■ 彼女はブルー/浜田省吾


> ご無沙汰してました。nanamiです。
> ブログへのコメントどうもありがとうございました!
>
> 8cmシングル懐かしいです。私も最初はきちんと折りたたんでました。
> ある時、どうしても折り曲げたくないジャケットに出会い、以降はそのまま保管。
> ところでひろニクルさんの1枚目の写真、同世代を感じるコレクション。
> 懐かしいです~。そしてこの中に私も持っているCDを発見!! さてどの曲でしょう?
> 答えは後ほど。
>
> それから、びっくりニュースで紹介されてた岡田亜紀さんのブログを見てきました!
> 素敵な思い出話に思わずコメント書き込んでしまいました。


nanamiさん、お久しぶりです!ブログ復活うれしいです。更新はマイペースに行きましょー。
シングルの購入履歴って、よりいっそうその人の「世代」が浮き彫りになるような気がしませんか?
つまり、nanamiさんとひろニクルは同世代の可能性が高いと刑事ヒロンボは推理します(笑)
岡田亜紀さん、一番好きな曲が「君と夏と僕のブルージーン」ってところも個人的に好感度UPです!
↓続き↓

> さてここで正解発表!
> 私が持ってるのは『太陽の破片』です。私もリアルタイムであの番組を見てました。
> 何度も何度も録画したビデオを見ては震えていたのを思い出します。
> のちに司会者の柴俊夫さんが印象に残った名場面のひとつに挙げていたのを覚えています。


nanamiさんもリアルタイムでご覧になっていたのですね。音楽番組史に残る名場面だと思います。
彼の咆哮は、単にエモーションを次々と導き出すための「装置」ではなく、それ以上の「何か」でした。
歌い終えると、ごく自然に出演者のスタンディングオベーションが起きるんですよね。感動的です。
ところで、中森明菜は尾崎豊のファンだったんでしょうか。スタンバイの時からひとりだけ拍手をし、
歌の後は誰よりも早くスタンディングオベーションしているのです。古舘の後ろ、ひな壇の左端です。



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