:: びっくり日記

太宰ホームズ志賀大島

2007.02.17



最近は太宰を読み返しています。勝手にプチ太宰ブーム。

晩年の太宰の自己嫌悪エナジイが渦巻く短編集「ヴィヨンの妻」は、
もう、なんというか、あまりに痛々しくって読み進めるのがつらくなるわけですが、
ユーモアという表層の下に空虚な時代の空気を閉じ込めた「トカトントン」はやはり傑作ですね。
でも、僕がこの短編集の中でベストに推したい作品は「親友交歓」。
家柄や血筋などのつまらぬことばかり気にして虚栄心を満たそうとする田舎モノの悪癖は、
同じ地方出身者として非常に共感・実感できる部分も多く、苦笑しながらも楽しく読みました。

+ + + + +

吉祥寺に「百年」という古書店があります。
昨年オープンしたばかりの新しいお店ですが、いまではすっかり僕の入り浸りスポットに。

とにかく在庫内容が素晴らしいです。数は多くないけど無駄がない。刺激的。
そして、闇雲にプレミアな値付けをするわけでもなく、値頃感もあります。
微塵もコンセプトの感じられないブックオフの在庫に飽き飽きしている人におすすめ。

今日はコナン・ドイルの「シャーロック・ホームズの冒険」と、小説の神様・志賀直哉の「和解」、
そして「ゴダールの全映画」という絶版本(スチールが多くて資料的にもGood)を購入しました。

「シャーロック・ホームズの冒険」はもう5回目くらい買い直しているかもしれない。
実家にも同じ本が2~3冊くらい置いてあるんじゃないかなぁ。
中学生のときに全60作を読破したんだけど、いまでも時折あの世界が懐かしくなるのです。
もちろん「四つの署名」や「バスカヴィル家の犬」などの長編も傑作揃いだけど、
最終的にはこの短編集「シャーロック・ホームズの冒険」に戻ってきてしまう。
「ボヘミアの醜聞」「赤毛組合」「唇のねじれた男」「まだらの紐」など、奇跡の名作だらけ。

新潮文庫のホームズシリーズは数年前に改定されて、
なんとなくボンヤリした装丁になってしまったのが残念です。
今回、百年にて購入したのは馴染みのある旧版。格調あります。
昨年から刊行が開始された光文社文庫の新訳ホームズ全集の評判が良いので、
そちらで揃えなおすのもいいかなぁなんて思っています。なんか色々盛り上がってきました。

志賀直哉の「和解」も若い頃に読んだけど、なぜか突然また読みたくなったのです。
理想主義、楽観的に過ぎる、と批判されることはあれど、やはり僕は白樺派の文学が好き。
最近マイブームである太宰治と志賀直哉は同じ東北出身の文豪でありながら、
非常に仲が悪いことで有名だったんですよね(まんずまんず仲良くすっぺし・・・)
スタイルや主義主張は異なるけれど、どちらの小説にも抗いがたい魅力があります。

でもこの新潮文庫の志賀直哉シリーズ。
なにが一番魅力的かって、やっぱり表紙ですよ。

「どうも、志賀です」


帰り際、吉祥寺駅南口のブックオフに立ち寄ってWANDSのデビュー盤「WANDS」を購入。
天才ボーカリスト・上杉昇のデビュー時から変わらぬ歌唱力に脱帽です。
でもなにが一番すごいかって、やっぱり大島さんのヘアスタイルですよ。



「どうも、大島です」


■ 寂しさは秋の色/WANDS



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