:: びっくり日記

TOUR without electricity 2009@東京グローブ座

2009.12.05

追加公演@東京グローブ座。行ってきました。

大まかなセットリストやMCの内容は世田谷とほぼ同じです。
ライブの進行や楽曲の印象などは世田谷公演レポに書き尽くしました。
もう僕が語るべきことはほとんどないんじゃないかと思うんですが、いくつか順不同で・・・。

▽ 7Voice
やっぱりこの曲がL⇔Rで一番好きだーっ。たぶん、この先もずっと。
どうしたらこんな曲が作れるのか本当にナゾ。でもそのナゾは解こうとも思わない。
解けてしまうナゾはつまらない。ナゾはナゾのままでいい。たくましく育ってほしい。

▽ REMEMBER→EQUINOX→Northtown Christmas
夏→春/秋→冬の3連コンボは強烈!
「Northtown Christmas」ではスクリーンに雪が降る映像効果。きれいでしたね。
「EQUINOX」も「Northtown Christmas」も、1994年のEQUINOXツアー以来15年ぶりの生演奏。

▽ 先生の音頭で遠山さんの誕生日を祝う
12月2日は遠山さんの誕生日ということで「Happy Birthday to You」をみんなで歌ってお祝いです。
1回目は声が小さくやり直し、2回目はバッチリ。「みんなと一緒に歌いたかった!」とご満悦の先生。
遠山さんも「恐縮です。二十数年生きてきてこんなことは初めてです」と感激の面持ちでしたが、
もしかして「二十数年」って、遠山さんさりげなくボケました?先生は完全にスルーしてましたけど(笑)

▽ 新大久保の韓国料理店に打ち上げに行くという話
「ウォンに両替しないと」と真顔で言う遠山さんに、「いくら俺でもだまされない!」と黒沢先生(41歳)

▽ 販促活動
「1年が経つのはあっというま。アルバム出たのは今年だっけ?という感じ」と先生。
さらに「新しいことと古いことがゴチャゴチャで、もう何がいつあったのかよくわからない・・・」。
「・・・そこでカレンダーですよ!!」とおもむろにグッズ宣伝開始。なるほどそうきましたかー!
先生らしからぬ巧みなトーク展開力に、遠山さんも「いまのはうまかったねぇ」と感心することしきり。

遠山:「冒頭のMCを聞いて今日はダメかと思った」
黒沢:「なんでですか?」
遠山:「同じ単語10回くらい言ってるし」
黒沢:「あーでも僕はそれが普通ですから」

▽ SOCIETY'S LOVE
エンディングのアドリブが、良い意味で黒沢健一の「野蛮さ」「獰猛さ」を象徴しているように思います。
この曲のように激しく野心的な楽曲があり、また一方で穏やかでリリカルな表現をする楽曲もあり、
硬軟取り混ぜた大きな振り幅を楽しめるのが、先生のライブの魅力のひとつではないでしょうか。

▽ クロッケン・ウォーク?
たしか「SOCIETY'S LOVE」の間奏で熱くギターストロークしてるときだったと思うんですけど、
ぐっと腰を落とした先生が「中腰ガニ股スタイル」のまま、遠山さんの方へ横跳び移動しませんでした?
一瞬の出来事でしたが、インパクトは強烈でした。ひょっとしてダック・ウォークの一種なんでしょうか。
その光景が目に焼き付いて離れないので思わず絵に描いてみました(笑) 目撃情報求む!


▽ What is this song?
アルバム「first」リリース時の未発表曲。世田谷に続いて聴くのは2回目なんですけど。超・名・曲!
イントロ、サビ前、そして歌伴と、楽曲全体を通して弦アレンジが冴え渡っています。一切ムダがない。
ややタイプは違うけど、Science Ministry「Sweet Wondering」の祖形かもしれません。早期CD化を切望。

▽ GAME
間奏の<♪ウォーウォーウォウウォウウォーウォーウォー>の繰り返しが1回多く、歌と演奏がズレました。
しかし遠山さんは何事もなかったように平然とリカバリー。当たり前だけどミスしても演奏止まらないのはすごい。

▽ HELLO, IT'S ME
今回のツアーでは世田谷・大阪以外の会場でセットリストに入っていたこの曲ですが、弦カルバージョンは本日限定。
美しく深みのある弦楽の響きによって楽曲のドラマ性が何倍にも増し、穏やかな余韻をいつまでも聴き手に残します。
同じ弦アレンジでも、「四姉妹物語」の非売品8cmCDに収録されている<Strings version>とは全く異なる印象でした。

▽ God Only Knows
大阪ではWアンコールで弦カルバージョン(これも貴重ですね)が披露されたビーチ・ボーイズの名曲。
本日のグローブ座ではなんとノーマイク・ノースピーカーで演奏されました。・・・驚愕。鳥肌立ちました。
客電も点灯し、終演アナウンスも流れていたから、想定外のWアンコールであることは間違いないのですが、
果たしてノーマイク・ノースピーカーという形態は、何か思うところや意図があって決行したのでしょうか。
それとも、終演時間にシビアな劇場ゆえPAの電源が落とされており、やむなくアンプラグドになったのでしょうか。
遠山さんが「(お客さんに)聴こえる?大丈夫?」と先生に確認していたようにも見えました。この状況はいったい。
いや、しかしあの熱唱の前ではそんなことはどうでもよく、僕は硬直したままステージに視線を注ぐだけでした。

遠山さんがイントロを奏で、両手を胸の前で軽く合わせた先生が微かな微笑を浮かべたまま客席全体を見渡します。
そのまま歌に入る箇所が過ぎ、遠山さんが「あれ??」という表情で先生を見やっても、先生は全く動じる様子もなく、
静かにただウンウンとうなずいているではありませんか。感慨に浸るあまり、完全に演奏を聴いていなかったようです。

広いステージをゆっくり右に左に移動しながら、1階から3階まで、客席の奥の奥まで声を届けるように歌い上げます。
「音楽は一度聴き終わると空中に消え去り、二度と捕まえることはできない」というエリック・ドルフィーの言葉のとおり、
電気増幅されない先生の歌声は、会場の壁や床、あるいは観客の肉体にわずかな残響を残して消え去ってしまったけど、
それゆえ、あの5分間は黒沢健一にとって「完全な表現」に至ることができた奇跡の瞬間ではなかったかと僕は思うのです。

+ + + + +

TOUR without electricity 2009 ~弦カルspecial THEATER version~ reprise
2009.12.5(Sat) 東京グローブ座
SETLIST

01. Love is real?
02. 7Voice
03. PACKAGE
04. KEEP THE CIRCLE TURNING
05. September Rain
06. REMEMBER
07. EQUINOX
08. Northtown Christmas
09. TALK SHOW *
10. アイネ・クライネ・ナハト・ミュージック *
11. Maybe *
12. 新曲(タイトル不明 ♪レインボー) *
13. Scene39 *
14. SOCIETY'S LOVE *
15. KNOCKIN' ON YOUR DOOR **
16. What is this song?(未発表曲)
17. WONDERING
EN
18. GAME *
19. HELLO, IT'S ME
20. Grow
EN2
21. God Only Knows *

(無印)黒沢健一 + 遠山裕 + 弦カル
* 黒沢健一 + 遠山裕
** 黒沢健一


■ THINGS CHANGE/L⇔R



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