:: びっくり日記

TEAM IBARA-KICKS2010

2010.04.22

チケットは確保したものの、妻ニクルの出産時期と重なったため不参加だった昨年のTEAM IBARA-KICKS。
友人のライブレポを読んでヨダレを垂れ流すだけの毎日でしたが、今年はついに参加することができました!

+ + + + +

まずはオープニングアクトのOLDE WORLDE。第一感、これは大変な才能の持ち主だと感じました。
特異な声質。巧みなギター。膨大な音楽的インプットと、ジャンルレスで全方位的に開けたアウトプット。
まるでローリング・ストーンズの「Wild Horses」と、ジョージ・ハリスン「Beware of Darkness」のような1曲目、
帰宅後さっそく本人のMySpaceであれこれ試聴。あーこれこれ、「stripes of the moonbird」という曲ですよ。
今回は弾き語りだからちょっとニュアンスは違っていたけど、「DOODLE ON THE LANE」も歌ってましたよね?
「DOODLE~」は岡村靖幸の反射的/即時的なファンクネスにも通じるような、素晴らしく躍動的なナンバーでした。
これからも要注目です・・・っていうか事務所はRoad&Sky!? 基本的にRoad&Skyに「ハズレ」なしだべさー。

+ + + + +

さて、健一先生と堂島くん、2人揃ってステージに登場。
オープン間もない渋谷PLEASURE PLEASURE、本日なんと最大の動員数を記録したそうです。
「茨城ってすごい人気あるのかも!」と先生。いや、人気あるのは茨城じゃなくて出演者ですから(笑)
ステージに並んだ2人の衣装を見て、「あれ?上下黒の服で揃えてきたのかな?」と思ったんだけど、
なんと全く打ち合わせなしに、衣装モロかぶりしたそうです。どう見てもお揃いのユニフォーム・・・。
足元こそ先生はショートブーツ(?)、堂島くんはスニーカーと差異あれど、あまりにもかぶりすぎです。

そして、昨年一部で話題騒然となった「茨城県民の歌」。どうも男らしい曲調だったそうですね。
(チラッとさわりだけ歌ってくれましたが、たしかに「応援歌」のような、「校歌」のような感じ?)
今年はもうちょっとおしゃれな感じで行きたいんだけど、という先生の勝手気ままな要望を受けて、
ンーチャッ・チャッチャー、っていうリズムを爪弾く堂島くん。ボッサ調?カリプソ風味?(よく知らない)

♪イバラバラバラ・バ・ラ・バー・ラー・・・

堂島くんが歌い出したメロにすぐさまハモる先生。うわー即興なのになにそのハイレベルなコーラスワーク!
さらに間奏で先生がおもむろにセリフをしゃべりはじめます。なぜか片言の日本語を話す外国人風(笑)
「ワタシガ、ウマレタノハ、イバラキ。ミドリガ、トテモ、オオイデス」。以下、ストーリー要約。

最近空港ができた→世間的には批判されている→空港が珍しいからお茶を飲んできた友人
→空港はそういう使い方をするところではない→友人に声を大にして言いたい


♪イバラバラバラ・バ・ラ・バー・ラー・・・

続いて、堂島くんまで片言の日本語を話す外国人風にセリフを吐き出します。
「イバラキケンハー、ヤケンガオオイー」。以下、ストーリー要約です。

茨城県は野犬が多い→建物がないから逃げ場がない→噛まれる→痛いと叫んでも人がいない
→茨城空港、滑走路1本→1日1本→3日で3本→トイレに、セボン(両者声を合わせて)

(※コメントいただき訂正しました。これなら意味が通じるので、たぶん僕の聞き間違いでした。ありがとうございました)

先生、大爆笑。堂島くんわけわかんないけどすごい面白いぞ。ホントに即興なのか(笑)
2010年、日本の音楽界にこれ以上の名曲は生まれないだろうと僕は確信しました。
もし茨城県観光のPRソングとして採用されれば、茨城県のイメージアップ間違いなしですよ。
堂島くんはこのオープニングコーナーを、たしか「自由時間です」て言っていたけど、
もうなんだか本編ライブが始まる前におなかいっぱいになってしまいました。あー可笑しかった。

+ + + + +

ひとまず堂島くんが下がって、まずは健一先生のソロステージです。

アマチュア時代はCDや音楽配信もなく、ライブハウスで新曲を披露するのが常であったのだけど、
今日は久しぶりにそんな感じで、といった内容のコメントに続いて、できたてホヤホヤのクロケン新曲きたー!
メロディーはとっても素直で優しい。だけどそこに切なさとウェットな哀感がにじむのがやはり黒沢節だなぁ。
「くしゃくしゃの笑顔」とか、「切り替わったカレンダー」とか、描写の具体がストーリーの広がりを感じさせます。
このあたりは「Grow」などでも実践されていたテイストでしょう。一日も早い音源化をお願いします。

ここで相棒のギタリスト・きくっちゃんが招き入れられました。髪が伸びて肩ぐらい?そして眼鏡眼鏡。
お、このイントロは!なんと「Do we do」ですか。Focusツアーではドライブ感あふれる獰猛なボーカルでしたが、
今日はアコースティックということもあって、ファルセットで上下に運動するオリジナルのCD音源に近い印象。
しかし、ギターとギターが激しく交錯する間奏パートで先生のプレイにもだんだん熱を帯びてきたのか、
結局、間奏明けの歌は完全にFocusと同じ激烈なバージョンに(笑)

続いて「遠くまで」。やっぱりきくっちゃんのギターは雄弁ですね。換言すれば、抜群に「センスがいい」。
歌伴にしても間奏にしても、きくっちゃんの繊細なアレンジで、おなじみの楽曲もまた豊かな表情を垣間見せます。

なにこれ聴いたことないんですけど・・・わーまたまた奇跡のクロケン新曲きたー!
ここ最近の翳りあるSSW路線に連なるものですが、先生らしいポップ感も織り込まれた素晴らしい曲です。
途中の「傷ついたソルジャー」という言葉が、まるで統語された水面に投げ込まれた石のように楽曲を揺らします。
ていうか、「方舟」「Rock'n Roll Band」「Landing Over the Rainbow」「What is this song?」に今日の新曲2つ。
もういつでもアルバム出せるくらい曲揃ってるんじゃないですか!パパッと出しちゃいましょうよ先生!(無責任な発言)

「みつを」トークはこのあたりでしたっけ?どんな言葉でも最後に「みつを」と書けば有難いものになると。
しかし、驚くべきことに健一先生は「326(みつる)とみつをって違うの!?」というほどの心許なさで、
さらにお客さんからみつをが故人であることを知らされ、「うそぉぉぉ!?」と本気でびっくり仰天。
きくっちゃんも「みつをさん、ごめんなさい・・・生まれてすみません」と、なぜかネガモードに(笑)

というわけで、とりとめのないMCから次曲は「Morning Sun」。いやー、あらためて美しすぎる名曲ですね。
そのメロディーが、その歌声が、すっぽりそのまま僕の内側に入り込み、何も考えられなくなってしまいます。
個人的に本日の好プレー大賞は「Morning Sun」だったかもしれません。いや、全部よかったんですけどね。
しかし、本日の珍プレー大賞は「茨城県民の歌」であることは衆目の一致するところでしょう。

もういままで何度も何度も言ってることなんだけど、きくっちゃんと一緒の「Rock'n Roll」は格別です。
2002年のMoon Dog Fes(@名古屋ELL)で初めて聴いたときの衝撃は忘れられません。

きくっちゃんのユニット、フウロミンの告知もあり。きくっちゃんは「すみません」を連呼、すごい恐縮しておりました。
先生「フウロミンでRock'n Rollカバーしてよ」。きくっちゃん「いや無理。女性ボーカルだし、かわいい声になっちゃうから」。
すると突然、テープ早回しのようなかわいい声で「♪そこーら中ーに 響ーきーわたーる」と歌い出す先生。
レコードの回転数を間違ったときのような声。たとえは古いけど「♪オラは死んじまっただー」の、あの声ですよ。
ライブで時間押してるときに「急ぎます!」と、テンポ変えずにこの声で歌ったら怒られるかな、と先生。怒られます(笑)

そして、徳山くんへの提供曲「BLUE」。この曲をカバーするのは「MUSIC DAY2006~人間そんなにキレイじゃない」以来?
そもそも先生に「BLUE」や「CLOSE TO ME」を歌うするよう促した首謀者はきくっちゃんなわけで、
もうその功績だけで表彰モンじゃないかと思っています。あ、最近は先生本人もこの曲気に入っているらしいです。
万が一、徳山くんのCDを持っていない黒沢ファンの方がいらっしゃいましたら、絶対に入手して下さい。
もちろんボーカルは黒沢健一ではありませんが、どうしようもなく「黒沢健一」であり続けている傑作なので。



L⇔R時代にライブでカバーしたことがある、お客さんにも(手拍子で)参加してもらいたい、と語る先生に対して、
「じゃあ、ギターを」と、ギターを客席に差し出すきくっちゃん。譜面もあるしなんとかなるだろ、だって(笑)
そういうわけで、L⇔R「LIVE RECORDINGS」にも収録された、THE BYRDS「So You Want To Be A R&R Star」。
実に生々しくかっこいいカバーでした。こういうナンバーを歌うときの先生の「ノリ」は、もう理屈じゃないんだよなぁ。

ここで堂島くんがステージに再登場です。先生たっての希望で、L⇔Rの「It's Only A Love Song」を共演。
健'zでもカバーされていた曲だけど、堂島くんとのバージョンはめちゃめちゃ爽やかな風が吹いておりました。
そして僕は諸般の事情により、後半の堂島くんパート+アンコールを見ずに泣く泣く退場。・・・む、無念っ!

今年初参加となったTEAM IBARA-KICKSですが、本当に楽しく幸せな時間を過ごすことができました。
年末のカルカルライブと共に、毎年恒例のライフワークにしてもらいたい、そう願わずにいられません。
渋谷BOXX(2009年)→渋谷PLEASURE PLEASURE(2010年)と着実に動員数を伸ばしているので、
来年は茨城県民文化センターあたりを満員にして、いずれはROCK IN JAPAN FES(ひたちなか)を目指しましょう!

+ + + + +

2010.4.22 渋谷PLEASURE PLEASURE
SETLIST

▽黒沢健一&堂島孝平

01. 茨城県民の歌(おしゃれボッサバージョン) ※即興

▽ 黒沢健一
02. 新曲(♪だけどきっとー同じようにー)
03. Do we do
04. 遠くまで
05. 新曲(♪流されるように あきらめるように 傷ついたソルジャー?)
06. Morning Sun
07. Rock'n Roll
08. BLUE
09. So You Want To Be A R&R Star

▽黒沢健一&堂島孝平
10. It's Only A Love Song

▽黒沢健一&堂島孝平
11. Scene39
12. 夜間飛行

※セットリストは黒沢健一出演パートのみ



メッセージはお気軽にどうぞ。

黒沢健一::黒沢健一