:: びっくり日記

LIVE V.S.G.P 2010 | V.S.G.P編

2010.12.18

開演時間を5分過ぎた頃に客電がすうっと落ち、グローブ座2days初日がスタート。
今日はV.S.G.P編=ボーカル・ストリングス・ギター・ピアノという編成でのライブです。
まずはLALALAストリングスの皆さんと遠山さんが登場して、しばしチューニングなど。
続いて黒沢健一先生の登場です。あら?「V.S.G.P」ジャケ写の格好じゃなくて残念(笑)

衝撃のオープニングナンバーは、L⇔Rの名曲「RIGHTS AND DUES」!これは反則だろー!
昨年の弦カルライブと同様、ストリングスとのセッション時には、健一先生はギターを持ちません。
それゆえ身振り手振りで、その小さな身体全体を使って、楽曲の世界をオーディエンスに伝えようとします。
「If I cry」では頬に涙を伝わせ、「my bicycle」ではハンドルを握り、「good things」では両手の親指を立て、
そして間奏の「♪アーイ・ラーー・ビューーー」は、会場全体を見渡しながらハンドマイクで丁寧に歌い上げます。

今夜はストリングスとピアノをフィーチャーした「V.S.G.P編」ですという説明の後、「What is this song?」。
なんというか、弦の音がキラキラしてるんですよね。伸びやかで飛翔感のあるメロディーとすごく相性が良い。
「Package」では昨年に引き続き郷ひろみ直伝のジャケットさばきに目が釘付けでした。さらに切れ味鋭くなってた!
さらに間奏ではボイスパーカッションも飛び出します。僕はボイパについて詳しくないけど、たぶんかっこよかった!
「V.S.G.P」に収録された「Package」の間奏では、ストリングスの陰に隠れてそんなにはっきりと聴こえないんだけど、
「V.S.G.P」DISC1からライブ音源を抜いて、ダビングしたものだけでまとめたCD「V.S.G.P NAKED」を聴いてみると、
先生かなりボイスパーカッション頑張ってたんだなーってわかります。というわけで、「NAKED」は必聴盤です。

「次の曲は・・・」って、先生ものすごい足元ガン見してるし(笑)
以前、締め切りのある頃に作った曲。最近も締め切りがないわけじゃないけど、締め切りは忘れているそうです。
そりゃ、あの怒涛のポニーキャニオン時代に比べれば、いまはマイペースで活動できるし、ある意味健全でしょう。

というわけで、初披露となる弦カルバージョンの「Knockin' on your door」です。
昨年の神懸かった弾き語りバージョンとは異なり、原曲の雰囲気を残した清涼感あふれるストリングスアレンジ。
ボーカルもほぼオリジナルに忠実でしたね。やっぱりノッキン超名曲。ポップチューンの理想形のひとつだと思います。
たしかにL⇔Rにはノッキン以上に良い曲があるし、これ1曲でL⇔Rが評価されてしまうことに対するやりきれなさ、
そして図らずもこの曲が背負ってしまった「運命」の重さに、ファン各々が複雑な思いを抱くことも理解できますが、
うーん、なんというか、もし恣意的な解釈で無理にこの曲を嫌っているのなら、もったいないなぁって思うんです。
だってほら、先生本人はいま目の前でこんなに楽しそうに歌ってますよ。両手ノックなんてしちゃったりして。

「Keep the circle turning」「Remember」が終わるとLALALAストリングスは一旦退場、先生と遠山さん2人だけに。
ここからは「V.G.P」コーナーです。そういえば今日のライブは「V.S.G.P編」だけど、「V」「S」「G」「P」が揃った瞬間なし?
LALALAストリングス(S)とセッションするときは先生はギター(G)を持たないから、「V.S.P」。
遠山さん(P)と2人だけのコーナーでは先生はギターを持つけれど、ストリングスがないから「V.G.P」。
もちろんライブ全体を通して「V.S.G.P」それぞれがすべて活躍するので、なんら問題はありませんが(笑)

わー!「(YOU DON'T NEED) NOTHIN' TO BE FREE」ですか!まさか先生がこの曲を覚えていたとは!
人生最多アルバム再生回数でいまだにトップに君臨する「NEW VOICES」ファンの僕としては、うれしい選曲。
ライブの定番「Rock'n Roll」では、いつものように順調に演奏は進んだのですが、エンディングの遠山さんのピアノ、
一番最後の最後の締めのところで、関係ない鍵盤に指が当たってしまったのか、

♪ジャジャッジャージャジャッ!・・・・・・ポン

てなった(笑)
直後、2人で顔を見合わせて苦笑い。遠山さん平謝りの図。

今回会場で売っているグッズについて先生が説明をはじめると、すでに各グッズがピアノのそばに置いてあったのか、
「V.S.G.P NAKED」もトートバッグもカレンダーも速やかに高く掲げてお客さんにプロモート。なんて優秀な助手!
そんな遠山さんですが、ダビング部分のみ抽出してまとめた「NAKED」については一言言いたいことがあるらしく、

遠山 「僕の音は入ってないの?」
黒沢 「あ、はい。NAKEDに遠山さんは・・・入ってません!」

さらに「V.S.G.P」本編も遠山さんに内緒で作っていたそうで、それについて先生は「聴いて驚かせようと思って」。
遠山さんいわく「驚きましたよ1曲目。やっぱり僕いないでしょ?菊池がギター弾きまくるからさぁ」と超不満そう(笑)
ベースとなったライブ音源にはもちろん遠山さんはいるんだけど、たしかにダビング後の音源ではピアノ聞こえない。
それでも、DISC2では遠山さんが大フィーチャーされていると懸命にフォローする健一先生でしたが、
「DISC2ってシングルで言うところのB面でしょ?ノッキンに対する岩しぶきみたいなさ。みんなDISC1しか聴かない」
「そんなことないですって!DISC2のほうがたくさん曲も入ってるし・・・!」と、嫌な汗をかきながら反論する先生。

黒沢 「昔からずっとレコーディングやライブにも参加していただいて、もうL⇔Rのメンバーみたいなもんですよ」
遠山 「いや、curve509にもMOTORWORKSにも入ってないし・・・」
黒沢 「いいじゃないですか別に!(笑)」
遠山 「ファン的にはコンプリートしたいじゃないですか」
黒沢 「・・・全部に参加したいと(笑)」

コンプリートって(笑)
次の曲の直前にも「この曲もアレンジ違う人・・・」「たまには違う人とやってもいいでしょ!」なんて微笑ましいやり取りが。
たしかに2007年末に配信されたこの曲は、シライシ紗トリさんプロデュースで遠山さんは不参加だったんですよね。
とはいっても、その後のアルバム「Focus」および「Focus」ツアーにはしっかりと遠山さんも参加されているわけですが。
で、そのいわくつき(違)の「Feel it」ですが、「LIVE without electricity」に収録されているバージョンよりもテンポ速め。
僕、この遠山さんアレンジの間奏がドラマチックで好きなんですよね。♪ジャッジャーン、ジャッジャーンって(伝わらん・・・)
そしてやっぱり先生の歌詞が怪しい!さりげなく歌詞を修正しながらコーラスを合わせていく遠山さんは、もはや職人の域。

アルバムでは間奏パートが印象的な「Walking on a rainbow」も、ピアノとギターだけであのカオス感を絶妙に表現します。
遠山さんがピアノで不穏なフレーズを繰り返し、ステージ上手に待機していた先生がミュートしたギターをカッカッと鳴らしながら、
少しずつ中央に移動。静寂の中で、時を刻む時計の針の音だけが聞こえてくるような錯覚すら覚えました。息苦しいエンディング。

いつもライブではみなさんにパーカッションをお願いしています、という先生の案内に続き、
「3階の方だけではなく、みなさん一緒に参加して下さい!」ってなんでそこで突然3階?(笑)
「ロックンロールナンバー行きます!」の合図ではじまったのは、ハンキー・パンキーの「SUPER SONIC BOY」でした!
昨年末のカルカルライブでも披露されましたが、なんでこの曲やるときに限って着席ライブなんでしょうか(笑)。うずうず。
そして、そのまま曲間を置かずcurve509「SOUL KITCHEN」へ雪崩れ込みます。またボイパも飛び出し、先生ノッてました。
curve509バージョンよりも軽やかなアレンジで、以前ソロライブでやっていたヤングヤングバージョンに近い印象でしょうか。
ここではハンキー・パンキー、curve509の曲が立て続けに演奏されたわけで、遠山さんの「コンプ」も目前かと思います。

ん、このイントロはっ! L⇔Rの名曲「ブルーを撃ち抜いて」です。なにげにここ数年は演奏されていなかった曲。
これ聴くと、黒沢健一が帰還した2007年末の、あの伝説のトリプルアンコールを思い出してグッときちゃうんですよね。

先生と遠山さん2人のコーナーも無事に終わり、麗しきLALALAストリングスの皆さんが再びステージに登場です。
麗しき麗しきってどれくらい麗しいのよ?とおっしゃる方は、1stバイオリン藤縄陽子さんのブログをご確認下さい。

メンバー紹介。あれ?遠山さんがいない・・・と思ったらなんかスパンコールまみれのウルトラマンみたいなベスト着て出てきたー!
これにはギンギラギンにさりげない往年のマッチ先輩もかないません。片腕を突き上げ、ジョン・トラボルタばりに決めポーズ。
おぉぉ、照明が反射して異様にまぶしい!感動的な「ブルーを撃ち抜いて」の余韻も一瞬でどっか行っちゃいました(笑)

「どうしたんですか・・・」と呆れ顔の先生(笑)
一度はそのままピアノの前に座った遠山さんですが、「曲に合わなくなってきたので脱いできます」。
先生は「ハイ、さっさと着替えてきて下さい」て(笑)。「あんなベストどこに売ってるの?」とブツブツつぶやいておりました。
どうやら、原宿にある「ブティック竹の子」で売っているそうです。ほほう、竹の子族って言葉もこのお店に由来してるのかー。

イントロ。わかんない。なんだこの曲は!えー!「PALE ALE」ですか!この曲をストリングスでやりますか!
原曲が無駄を削ぎ落としたシンプルの極みゆえ、アレンジによって如何様にも化けるという曲でもあります。
MOTORWORKSのバージョンも、人力バージョンも、もちろん今回のストリングスバージョンも素晴らしい。
でもかなり疾走感があるので、弦カルのみなさんは結構大変そうに見えました(笑)
先生はハンドマイクで駆け回り、「♪身をかがめても」では身をかがめ、「♪誰かが僕を放り込む」では放り込まれていました。
今日のライブはとにかくこういったボディ・パフォーマンスが凄かった。黒沢健一、新たなる表現の地平へ。もしくは手持ち無沙汰。

激しいアクション&熱唱のあと、すぐさま「Wondering」。Aメロから当たり前のようにピッチも正確。よく息が切れないもんだなぁ。
そして甘美なストリングスの響きの中で「Grow」が歌われ、いよいよ次が最後の曲。

「この曲の歌詞を書いて下さった方が、今日この会場にいらしています」

さらに、当時と同じアレンジでこの曲を歌えるのがとてもうれしいと前置きされて歌い出されたのは、もちろん「EQUINOX」。
客席のどこかからステージを見つめていた人物は、プロデューサー牧村憲一ではなく、はっきりと「海野祥年」だったはずです。
どんな気持ちで歌っているのだろう、どんな気持ちで聴いているのだろう、そしてそこにはいったいどんな会話があるのだろう・・・。
それぞれ長く遥か続く道を歩んできた黒沢健一と海野祥年が、いまこの瞬間、おぼろげな光を漂わせながら再び交差したのです。
これを人生の光芒と言わずして何と言うべきでしょう。僕は涙を堪えるのが精一杯で、ド派手なベストのことなど忘れていました。

アンコールは「Northern town」。促されて観客もフィンガースナップ。「いい音だなぁ」と先生もご満悦です。
LALALAストリングスの皆さんも同じように指を鳴らします。指痛くなってこの後の演奏に支障が出ないといいんだけど(笑)
決してハッピーな曲ではないんだろうけど、愛らしいキュートな曲調ですよね。「V.S.G.P」では一番人気の曲なのでは?
そして、深遠な空間に研ぎ澄まされた音が鳴り響く「Northtown Christmas」で、美しい余韻を残したままライブは終了!

・・・と思ったらうれしいダブルアンコールあった!「立とうよ!」と先生。今日はじめてのスタンドアップ!
豪放磊落に疾走する2度目の「PALE ALE」で、ガーッとすごい盛り上がって、あっというまに終わった(曲短い)

いやー、良いライブでした。終演時刻は19時20分でしたが、先生はやっぱり「おやすみー!」って言ってましたね(笑)
グローブ座1日目は大盛況のうちに幕を閉じました。明日はきくっちゃんと2人で弾き語りライブです。

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LIVE V.S.G.P 2010 V.S.G.P編 ストリングスとピアノと歌の夕べ
2010.12.18(Sat) 東京グローブ座
SETLIST

01. RIGHTS AND DUES
02. What is this song?
03. Package
04. Knockin' on your door
05. Keep the circle turning
06. Remember
07. (YOU DON'T NEED) NOTHIN' TO BE FREE
08. Rock'n Roll
09. Feel it
10. Walking on a rainbow
11. SUPER SONIC BOY
12. SOUL KITCHEN
13. ブルーを撃ち抜いて
14. PALE ALE
15. Wondering
16. Grow
17. EQUINOX
EN
18. Northern town
19. Northtown christmas
EN2
20. PALE ALE

M01-06 黒沢健一+遠山裕+弦カル 
M07-13 黒沢健一+遠山裕
M14-20 黒沢健一+遠山裕+弦カル



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