:: びっくり日記

SEAT AND MUSIC 2014

2014.12.26



いきなりテンション高めで登場。「カルカル初めての方ー?」というアンケートも恒例になりました。
まだまだ初参加の方もいらっしゃるようですね。

今年も休憩を挟んでの2部構成。第1部は黒沢健一ソロ弾き語りです。
いつものパートナー遠山さんはいません。今年は物販がなかったのでジャパネットは不要だった?
否。先生曰く、プライベートライブのような感じでやりたかったんだそうです。

この日は冷え込みが厳しく「出かけるのをやめて自宅でMステ見るか…となってもおかしくない」と先生。
あと、カルカル店長の横山シンスケさんのヤンキー度が年々増している、というお話もありましたかね。

8年目のカルカルライブは「Many Things」で幕開け。
続く「Feel it」は、弾き語りではスローバージョンで披露される機会が多かったけど、本日は快速で。
やっぱりこのテンポが正解ですね。

「記憶違いかもしれないけど、この曲はカルカルで初めて演奏したと思います」という曲紹介から、「Scene39」。
残念ながらこの曲の初出は、ソロ再始動の第1弾イベントとなったアップルストア銀座(2007年12月23日)ですね。
ちなみにカルカルで初披露された曲は「Grow」です(2008年12月27日

さて、カルカルライブのお楽しみのひとつは、この日だけの特別限定メニューです。



撃ち抜きテイスト(笑)。あと「HELLO」にさりげなくポッキーが付いてるのがポイントです。
でも僕は投薬中のため、ジンジャーエールをちびちびと。来年こそは撃ち抜かれたいっ!

愛の言葉と僕のかけらが秋風に舞うことでおなじみの「Missing Piece」ですが、
途中で「愛のかけら」「僕の言葉」と歌詞を入れ替えて歌われたのが印象的でした。
健一先生はリリース当時の歌詞を意識的に変更することが結構ありますが、この曲も?
元々こういう歌詞でしたっけ?

「So What?」にはしびれました。「Feel it」「Scene39」でも顕著でしたが、
健一先生のガッツあるギタープレイ、とりわけアップストロークのキレの良さは特筆すべきですね。

「来る日も来る日も、という曲をやります」と、気持ちよさそうに「Day By Day」を歌い上げ、名曲「Silencio」へ。
グローブ座でも感じましたが、地の歌声とファルセットを往復する際の滑らかさを先生は取り戻りつつあります。

パワフルな「遠くまで」で、オープニングアクト「黒沢健一」による第1部は終了。
最小構成、まさに引き算の美しさである弾き語りライブでした。質素にして豪華な至芸。
この時点で十分満足してしまいましたが、準備にかなりの時間を費やしたという第2部への期待も高まります。

+ + +

第2部では、来年リリースされるアルバム「LIFETIME BEST "BEST VALUE"」に参加し、
ツアーにも帯同する茂村泰彦さん(シゲさん)と西山太郎さんのお二人がゲストで登場しました。
先生を挟んで3人が横一列に並んだので、ステージ真横のカウンターに着席されている方々からは先生の姿が見えにくそう。
ニューアルバムのテイスト(ただしドラムとベース抜き)で演奏するということで、第2部のセットリストはほとんどが新作から。

まずは名曲「ALL I WANT IS YOU」からスタート。冒頭からシゲさん西山さんの「アー」という重厚なコーラスに耳を奪われます。
「Soul Kitchen」でもサビでは分厚いコーラスが前面に。遠山さんのソフトで繊細なコーラスとは異なり、がっつり骨太な印象。
この曲では西山さんのスライドギターが素晴らしかったと思います。
西山さんのプレイスタイルは、複雑な展開を楽しむように弾きまくるきくっちゃんとはタイプが異なりますが、
いぶし銀とも評すべき重心の低い音色が魅力的ですね。

「LIFETIME BEST "BEST VALUE"」をアメリカレコーディングするにあたり、
「きっと(原曲の)難しいコードとか省略されるよ」とシゲさんに言われた先生。結果それは事実だったらしい。うーん…。
そしてラスベガスのホテルは入口から部屋までなかなかたどり着かないとか、ホテルの中に公園があるとか、
とにかくそのスケール感に圧倒されたそうで、先生は今年中に誰かにこの思いを伝えたかったらしい(笑)

シゲさん 「健一くんもアメリカ行ったら大きくなるんじゃないの?」
健一くん 「…背ですか?」

個人的に「Maybe」のアレンジは好みではありませんでした。Aメロ「♪6月のー」直後の下降コードは省略されているし、
「♪またいつかー (♪まぁーたぁーいぃーつぅーかぁー)」という追っかけコーラスも、やや過剰でベタです。
原曲の、大げさな誇張のない精妙さ、あの淡いフィーリングが今度のアルバムで失われていないといいんですが…。
もっとも先生や遠山さんならこういうアレンジはしないだろうから、そういう意味では新鮮な発見があるかもしれません。

さて、「I WANNA) BE WITH YOU」「DAYS」と、10代の黒沢健一少年が生み出した名曲たちが続きます。
リリースこそL⇔R名義ですが、それよりずっと前、茨城時代から存在していた曲として知られています。
これまでミックス違いやバージョン違いはありましたが、あらためてリメイクされるのは初めてですよね。
どちらも原曲の清々しさに加え、より丸みと柔らかさを加えた素晴らしい演奏だったと思います。
「DAYS」は「たぶんライブでは初めて」とおっしゃっていましたが、「Let me Roll it!!」ツアー全公演で演奏されているので、
おそらくは、「ソロになってからは初めて」という意味だったのかな、と思います。

そういえば、先生のカポタストの付け方が間違っていることを、西山さんに指摘されたらしいんですが、
なんとデビュー以来ずっと逆に付けていたそうで、なぜいままで誰も言ってくれなかったのか、と憤慨する先生(笑)
ちなみに今回の指摘を受けて正しく取り付けてみたところ、やっぱり良い音がしたそうです。

たしか「KNOCKIN' ON YOUR DOOR」と「PALE ALE」を聴いているときだったと思うんですが、
「いま僕は黒沢健一を聴いているのだろうか」と、ふと感じたんですよね。あくまで個人的かつ感覚的な話なんですけど。
もちろんいまそこで歌っているのは確かに黒沢健一本人なのですが、聴こえてくるのは「黒沢健一の音楽」ではなく、
何か別のオルタナティヴなもののように思えて、感情移入できない場面があったことは事実です。

もちろん感じ方は人それぞれなのです。新しい風が吹き込まれて楽曲の魅力が増したと思う方もいると思います。
僕は「黒沢健一」至上主義であって、別に「原曲」至上主義ではないので、過去の名曲を聖域化することはしないし、
リメイクや再レコーディングには寛容なんですが、いったいこのモヤモヤした感情は何なんだろうと考えたわけです。
そして、それは黒沢健一という音楽の「純度」の問題なのではないか、という結論に達しました。
黒沢健一の音楽を全面的に信頼していて、なおかつその純度の高さに心酔しているので、
先生の手から離れたところで施された「第三者的アレンジ」を受け入れる準備ができていなかったのかもしれません。

アンコールの「Rock'n Roll Band」は、またもや先生単独の弾き語りだったんですが、
「やっぱりこれだよこれ!」と思ってしまった僕は本当に心が狭いなー、鎖国的だなー、と思うわけです(笑)
でも、まずは先入観なしにアルバム聴いてみるべきですね。サウンド・プロダクションによって印象は全然違うので。

ストイックかつ禁欲的な響きを追求した第1部と違い、第2部ではどこか開放的な空気を感じました。
音楽的にはウェストコースト・ロックの雰囲気もあり、サザン・ロックの泥臭い感じもあり、フォークの要素も?
さらに、健一先生を含め3人が横一列に並んで、ギター&コーラスするというステージ上のビジュアルからも、
イーグルスかCSN&Yか、はたまたGAROかアルフィーか、といった趣きさえありました。

健一先生は楽しそうでしたが、かなり緊張したそうです。デビュー当時を思い出すような感覚だった、と。
たしかに遠山・菊池・岡井バンドだと、阿吽の呼吸というか、アイコンタクトひとつでお互いすべて通じ合えるだろうし、
良い意味でも悪い意味でも鉄壁すぎて、アクシデントを「予定調和」にできてしまう余裕さえ感じられます。
今回はそのような拠りどころがない環境下において、先生も大船に乗った気分ではいられなかったのでしょう。
それも来年のツアーではよりバンドとしての強度が増し、新しい黒沢健一の音楽を届けてくれると思います。

セルフカバーアルバム「LIFETIME BEST "BEST VALUE"」は、2015年1月21日リリース!

+ + + + +

2014.12.26(Fri) 東京カルチャーカルチャー
SETLIST

<第1部> 黒沢健一ソロ弾き語り
01. Many Things
02. Feel it
03. Scene39
04. Missing Piece
05. So what?
06. DAY BY DAY
07. Silencio
08. 遠くまで
<第2部> 黒沢健一+茂村泰彦+西山太郎
09. ALL I WANT IS YOU
10. Soul Kitchen
11. Maybe
12. (I WANNA) BE WITH YOU
13. DAYS
14. KNOCKIN' ON YOUR DOOR
15. PALE ALE
16. Ruby Baby
<EN> 黒沢健一ソロ弾き語り
17. Rock'n Roll Band


■ She Didn't Mean Much To Me/Science Ministry


> ひろ二クルさん、こんばんは。
> 随分ご無沙汰しております。体調は崩されてませんか。
>
> 私、5月17日大阪カフェルームに行ってまいりました。
> カルカルよりアットホームで健ちゃんと菊池さんの掛け合いが最高でした。
> ギターセッションは痺れてしまいました。「パッケージ」カッコよかったです(^_-)-☆
> こんな近くで見ていいのかなあ、なんて幸せなんだろうと、うっとりしてました。
> 私たちのしぶといアンコールにも優しく応えてくださり、なんて心が広いんだろうと感動しました。
> 今回もまたまた握手していただいたのですよ(^o^)丿 嬉しすぎ!!!!
>
> 年末のカルカルには何がなんでも参加しようと決意したのでした。
> ひろ二クルさんにもお会いできるかも・・・と思って・・・楽しみにしています。


こんばんは。だいぶ前にメッセージいただいていたのにお返事が遅れてすみません。
大阪カフェライブ、かなーりステージ(と呼べるのか?)との距離が近かったと聞きました。
握手もよかったですねー。その手からこれまで数多くの名曲が産み落とされたのです。
年末のカルカルにはいらっしゃったのでしょうか。今年もよろしくお願いします。

> ひろニクルさん、こんばんは!お久しぶりです。サンクスです。
>
> 早速のセットリスト更新、あまりの速さに驚きです。
> カバー曲もしっかり押さえられていて、いつもながらすごいですね(生解説を聴きたいくらいです)
>
> 大阪のcafe roomには参加できたのですが(最高でした!)、
> 今回のモーターワークスには残念ながら参加できませんでした(涙)
> お忙しい中ですし、大変だと思いますが、臨場感たっぷりで表現力の際立ったライブレポは、
> (過去分の読み直しも含めて)いつも楽しませてもらっています。
> 自分は参加できませんでしたが、時を超えてのドリームライブ、
> 健ちゃんをはじめ、メンバーの皆様お疲れ様でした!そしてありがとうございました!


サンクスさん、うれしいメッセージthanksです!(まぎらわしい)
カフェルームの参加、お疲れ様でした。大変プレミアムな空間だったようですね。
MOTORWORKSは本当に時の河を越えてしまいました。これは夢ではなく現実なのです。
僕の筆力では、残念ながら彼らのライブの素晴らしさの8%ほどしか伝えられません・・・。
いつでも「びっくり電話」は皆様のお越しをお待ちしておりますので、ぜひまた遊びに来てくださいねー。

> ひろニクルさん、グローブ座のセットリスト公開ありがとうございます!
> いつもながら鮮やかなスピードですね!
>
> 残念ながら、今日のグローブ座には行けなかったのですが(カルカルもチケット取れませんでした)
> セットリストで曲名や曲の流れを反芻し、幸せな気持ちに浸らせていただいています。
> 特に個人的にも思い入れの深いブルージーンやTelephone Crazeは、夢のようです。
> ライブには参加できませんでしたが、臨場感溢れるレポートを拝見させていただいて再現してみます。
>
> ちなみに来年3月のライブはチケットも取れたので、今から期待に胸を膨らませています。
> あらためてになりますが、いつも豊かな表現力のレポート、ありがとうございます。
> 過去のもの(特に自分が参加したものは読み返すと必涙。。)も含めて、度々読み返しています。
> 今回のグローブ座レポートも当日のライブに参加するかのように楽しみにしております。


過分なるお褒めのお言葉ありがとうございます。嬉しいけど何だか恐縮しちゃいますね。
レポでも書きましたが、グローブ座はコンディション・選曲ともに非常に満足度の高い内容でした。
また、今回も撮影・録音OKということで、YouTubeではファンの方がアップロードしている動画を、
いくつも確認することができます。百聞は一見にしかず。僕の拙いレポより断然おすすめです(笑)
ツアーには参加されるとのこと、当日が楽しみですね。その前にタワレコインストアもありますね。



メッセージはお気軽にどうぞ。

黒沢健一::黒沢健一