:: びっくり日記

LIVE2013~Rock'n Roll without electricity~

2013.12.29

新大久保駅に到着した時点で開演時刻の17時半という絶望的な状況の中、
駅からグローブ座まで猛ダッシュ!そのとき僕はたしかに「風」になりました。
会場まで向かう人影もなく、すでに会場前にも誰ひとりいないわけですが、
開演が5分ほど遅れたおかげで、奇跡的にオープニングに間に合いました!
あぁ、神様仏様クロケン様。僕が来るのを待っていてくれたのですね・・・(違)

ワイン色の細身のスーツに身を包んだ先生がステージに現れた瞬間、
「L⇔Rの黒沢健一が帰ってきた!」と思いました。L⇔R見たことないけど。
オンカラーのシャツとパンツもコーディネートしていて。ステージ衣装はこうでなきゃ。

バンドは夏のツアーと同じメンバーに、紅一点のバイオリン藤縄陽子さんを加えた編成。
健一先生いわく、MTVアンプラグドを意識しているらしい。つまり、「茶色い楽器ばかり」と。
たしかにギターはアコギだし、ベースはウッドベースだし、オルガンはハモンド(?)
ともかく、先生の口から「MTVアンプラグド」というキーワードで説明されたことによって、
今回のライブのコンセプト、楽しみ方が不思議にスーっと理解できたような気がしました。

意気揚々と「Show Must Go On」「Easy Romances」と始まり、早くもメンバー紹介。

・きくっちゃんは学校にギターのネック部分だけ持ち込み、暇さえあれば練習していた。
 まさに二宮金次郎である!(あの背負ってる薪がギターのネックなんだって…笑)
・「超おなじみ」の遠山さん。
・岡井さんの好きなものはデイヴ・クラーク・ファイブとお酒(笑)
・ベースマガジンで山口寛雄特集!(奏法中心の内容で、2万字インタビュー等ではない)
・紅一点の藤縄さん(あだ名=なわっち)

アンプラグドらしく、穏やかでリラックスした演奏が何曲か続きます。
アンプラグドとはいえ、バンドの合奏力は相変わらず精緻であり、充実しています。

さて、本日の個人的ハイライトその1は、名曲「BABY BACK」です。
どこかもの悲しいイントロと、それに歩調を合わせるように歌い出されるボーカル、
絞り出されるファルセットの切なさ、そしてアコーディオンとバイオリンの美麗ソロに涙・・・。
健一先生は「20年くらい前に作った曲なんだけど」と歌い終わりにおっしゃってましたが、
ラギース時代から存在する曲なので、かれこれ少なくとも27~28年前の曲ですね(笑)

そして同じく初期L⇔Rを代表する名曲「Bye Bye Popsicle」へと繋がります。
この日会場にいらっしゃっていた牧村憲一さんは、終演後にツイッターでこうつぶやきました。

「黒沢健一君のライブでBye Bye Popsicleを聴く。しかも岡井大二さんのドラムで。いつ以来なのだろうか」

テンポ速めの「SPEAK EAZY」では、岡井さんがとんでもなく複雑なパターンを叩いていましたね。
終盤にバンドのアンサンブルが少し乱れる場面もありましたが、演奏自体には全く影響なし。さすが。

そして本日の個人的ハイライトその2は、「Mad Man Across The Water」です。素晴らしいの一語。
深いエコーの底から立ち昇る、包み込むようなボーカル。叙情的でありながら、ひんやりとした音世界。
藤縄さんのバイオリンは、ライブ全編通してよく歌い、各楽曲の物語性を見事に際立たせていました。
この曲における、ボーカルに絡む歌伴パートや流麗なソロは、間違いなく今回のライブの白眉でしょう。

「Maybe」の頃には先生の髪型も少し乱れ、モミアゲ部分が前方に広がり、ややプレスリー状態に(笑)
しかしそんなことは意に介さず、ただひたすら歌の世界に没入する先生の姿が神々しいんですよね。

「Rock'n Roll」は、かつて名古屋ELL(2002年)やLIVE V.S.G.P(2010年)で披露された
きくっちゃんと2人だけの激烈バージョンにバイオリンの音色を加え、ワン・アンド・オンリーな趣き。
「MANY THINGS」では、遠山さんのジョン・ロードばりのオルガンソロが印象的でした。

ブライアン・アダムスのカバーは意外でしたね。比較的新しい80年代の曲だし。
健一先生はブライアン・アダムスを「オーストラリア出身」だと思い込んでいたらしく、
「オーストラリア」というキーワードから広がるMCをあれこれ仕込んでいたそうですが、
事務所社長から「カナダ出身」であると指摘され、それらはすべてボツったとのこと(笑)

先日のカルカルでも披露された「Talk Show」はさすがの熱量。思わず立ち上がりたくなったけど、
先生いわく、会場である東京グローブ座はスタンディング禁止なのだそうです。そうだったんだー。
そして、新たなアンセムソングと言っても過言ではない名曲「Rock'n Roll Band」で本編終了。

ところで、今回もライブ中の「携帯端末での撮影」が許可されたことには驚きましたね。
夏のツアーのようなライブハウスならともかく、グローブ座のようなシアターでもOKなのかと。
10年以上前に、お台場で萩原健太さんとビーチ・ボーイズの「Surf's Up」を演奏した際、
カメラマンのシャッター音が気になり、先生が途中で演奏を止めたのを眼前で見ているので、
客席のあちこちでカシャ!ピコン!と鳴りまくる現在の状況は隔世の感に堪えません(笑)

ライブの楽しみ方の選択肢が広がるという意味で、撮影自由という方針には賛成なんですが、
今回、僕はあえて撮影録音せずに、メモと記憶に頼ってこの拙いライブレポを書きました。
よって、記憶違い、聞き間違い、見間違いの部分も多々あるかと思います。ご了承ください。

さて、アンコール1曲目は、先生ときくっちゃんと藤縄さんの3人で「HELLO, IT'S ME」。
「この編成では初めてなので緊張する」とのこと。以前、単独弾き語りで歌ったこともあったけど、
そのときとはまた違った緊張感があるんでしょうね。とても上品な佇まいの「HELLO, IT'S ME」でした。

曲が終わると遠山"ジャパネット"裕さんが、ライブグッズのトートバッグを携えて颯爽と登場です。
在庫数が残りわずかのため、何ならアンコール聴かないで買いに行けと過激な発言(笑)
ちなみに帰りに物販コーナーを覗いたら、やっぱりトートバッグは売り切れてました。残念!

最後はビージーズのカバー。マイケル・ボルトンのバージョンも有名ですね。
でも、歌の前に「Love Somebodyという曲です」と健一先生が紹介したとき、
「織田裕二?マキシ・プリースト?」と思ってしまったのはここだけの秘密(笑)

鳴り止まない拍手。ダブルアンコールに応えて先生がひとりでステージに登場し、
「(ダブルアンコールは)予定になくて・・・。俺ひとりでもいい?」とファンに語りかけます。
先ほどのアンコールをもってライブは終わり、この時間はプライベートタイムとのこと。
お正月は家でゆっくりくつろいで、テレビに飽きたらギターでも弾いて・・・という提案に続いて
サラリと爪弾かれたのは「Goodbye」のイントロ。これが2013年の本当に本当のラストソング。

今日のライブは、まさしく「大人のための」素晴らしいライブだったと思います。
そりゃまぁ、音の骨太感や全体の密度感は夏のバンドセットのほうが上だったし、
ギリギリの緊張感から生まれる才気煥発たるライブというわけではなかったけれど、
暖かみやロマンティックさ、そしてある種の人間味を感じさせる和やかな時間でした。

というわけで、とても穏やかな気持ちで帰路につくことができました。
皆様、今年一年ありがとうございました。来年もびっくり電話をよろしくお願いします。

+ + + + +

2013.12.29(Sun) 東京グローブ座
SETLIST

01. Show Must Go On
02. Easy Romances
03. (YOU DON'T NEED) NOTHIN' TO BE FREE
04. A Summer Song
05. Soul Kitchen
06. So What?
07. Shangri-La
08. BABY BACK
09. Bye Bye Popsicle
10. SPEAK EAZY
11. Mad Man Across The Water
12. Maybe
13. Rock'n Roll
14. I'm In Love
15. MANY THINGS
16. Summer of '69 (Bryan Adams)
17. Wondering
18. Talk Show
19. Rock'n Roll Band
EN
20. HELLO, IT'S ME
21. To Love Somebody (The Bee Gees)
EN2
22. Goodbye


■ Bye Bye Popsicle/黒沢健一


> ひろニクルさんこんばんは。カルカル楽しまれてよかったですね♪
> 行きたい気持ちは山々ですが、12月に2度も東京へ出向くには時間的余裕が…。
> どちらか一つを選ばなければならないのでわたしはやっぱりグローブ座かなあ。
> いつか自由の身になった暁にはカルカルにも…。
>
> スマホに替えられたのですネ。
> わたしもたぶん、たぶん来年ガラケーが壊れる予感がするので…たぶんたぶんスマホに…
> 来年バンド・ツアーがあり、もし!また撮影OKだったら壊れなくても替えます^m^
>
> ずいぶんと冷え込んでまいりました。お身体大切にお過ごしください。
> ちょっと早いかも…ですが、今年もひろ二クルさんのおかげで楽しい健ちゃん情報を得ることができました。
> 心より感謝申し上げます。


こちらこそ大変お世話になりました。来年もよろしくお願いします。
例年、カルカルについてはギリギリの日程発表になりがちですし、
遠征される方にとっては、色々と調整等が難しい面もありますよね。
通常のライブとは趣が異なりますが、機会がありましたらぜひどうぞー。
グローブ座ではガラケーで撮影されている方も結構いらっしゃいました。ご安心を(笑)

> こんばんは。今年はカルカルにもグローブ座にも行けないnanamiです(泣)
> レポ&セットリスト読ませていただきました!ライブが目に浮かぶようなレポ素晴らしいです♪
> 十分堪能させていただきました!「God Only Knows」聴きたかったなぁ。
> この曲を聴くと、いつぞやの暮れのライブを思い出します。秀樹くんがゲストのときだったかな?
> 思い出しただけで鳥肌が・・・(もちろん感動のです!)
>
> それから国安わたるさんの「追いかけて」のグッとくる解説!
> もうその通りでございます!サビ前のあの瞬間にココロを持っていかれます(笑)


nanamiさん、拙いレポですが楽しんでいただけたようで嬉しいです。ありがとうございます。
そういえば「God Only Knows」は久しぶりでしたね。秀樹くんゲストは2007年末でしょうか。
2009年グローブ座のノーマイク・ノースピーカーの「God Only Knows」も凄かったです。

> グローブ座、早速のセットリストありがとうございます。
> これで「あの曲を再度聴きたい!」という欲望を叶えることができます(曲覚え悪いので)
> 今日の健一先生、声がすごく出ててよかったですねー。アレンジもよかった!
> 本当に次のライブが楽しみ!(満足すればするほど、もっと聴きたくなりますね)


グローブ座参加お疲れ様でした。上品で温かいアレンジで、とても良いライブでしたね。
初出カバー曲も個人的には新鮮でした。先生はブライアン・アダムスも好きだったのか、と。
いやー、次のライブはいつになるんでしょうか。また12月まで音沙汰なしとかありえそう・・・。
もはや「グローブ座」「カルカル」は黒沢ファンの間では完全に季語になってますからね(笑)

> びっくり電話の書き込みは久しぶりのりるです。
> グローブ座のセットリスト速攻のup有難うございました。
>
> ニクルさんにはツイッターの方でDMしてましたが、
> かつてL⇔Rのチーフマネージャーを務められた橋本謙吾さんがお亡くなりになられたそうです。
> キンチキの福岡ライブで秀樹さんが話してくれました。橋本さんは長年福岡で闘病されていたとのことで、
> 秀樹さんを橋本さんに会わせるために、ショーキチさんが九州ツアーを提案したそうです。
> お見舞いは間に合わずに福岡ライブの日に橋本さんは旅立たれたとのことでした。
> 秀樹さんソロパートの最後の曲を歌う時感情を抑えていたのですが、
> しだいに目がうるんで来て、声が詰まって少し泣きだしていまいました。
> 秀樹さんは「橋本さんがいたから今の自分がいる」と言ってました。
> この会場にも橋本さん来てるからって。そしてショーキチさんと「Bye Bye Popsicle」歌ってくれました。
> L⇔Rファンにとっても橋本さんは大切な人です。会場のお客さんで橋本さんに拍手を送りました。
>
> そして先日のグローブ座で健一さんも「Bye Bye Popsicle」歌ったそうで。
> この曲をセットリストに入れたのは橋本さんへの思いがあったのかな、って思ったりしました。
> 健一さんと秀樹さんのハーモニーでこの曲が聴けたらどんなに素敵なことでしょう。
> 橋本さんもきっとグローブ座のどこかで聴いてくれていたでしょうね。


メッセージありがとうございました。言葉がありません。胸が痛くなります。
大変慕われたマネージャーさんだったと伺っております。ご冥福をお祈り致します。



メッセージはお気軽にどうぞ。

黒沢健一::黒沢健一