:: びっくり日記

SEAT AND MUSIC 2009 ~☆Holy Night☆~

2009.12.25

年末恒例の「SEAT AND MUSIC」@東京カルチャーカルチャーに行ってきました。
今年はクリスマスライブということで、スペシャルな選曲にも自然と期待が高まります。
まずは本日のイベントの特製メニューをご紹介。ドリンク2品、フード2品でした。

▼健・キール(600円) ※2年連続2度目の登場
▼ハーフ・ブランデー・アレキサンダー(600円)
▼エビ・ストリングス(520円)
▼タコ-4(250円)

「みなさん、メリークリスマス!」という先生のあいさつを号砲に、
健'z with Friendsもカバーしたドリフターズの「Ruby Baby」からライブスタート。
うっはー、懐かしい。これは全く予想していなかったオープニングです。

「ウィッス!ウィッス!」と満員の客席にごあいさつ。ゴキゲンですねー。
カルカルのシンスケ店長から事前に好きな食べ物を訊かれた先生は「エビ」と回答、
その結果、特製メニューの「エビ・ストリングス」(春巻き?)が誕生したとかなんとか。
先生いわく、カルカルの厨房スタッフもクリスマスだから気合いが入っていて、

「油の温度は高めで、フライドポテトもガーン!て揚げてますから」

ってホントですかそれ(笑)
続いて2曲目は、ハンキー・パンキーの名曲「SUPER SONIC BOY」をガーン!と。
ミニアルバム「In touch with Hanky Panky」リリース後、トーク&撮影会は開催されたものの、
残念ながらライブはなかったので、本日ライブ初お披露目となりました。次はぜひ兄弟パンダで!

ハンキー・パンキー結成の経緯などについて説明した際、
パンダじゃなくてアヒルとネコだったら今頃テレビに出ずっぱりだったかも、と先生。
さらに遠山さんまで「状況変わってたと思いますよ」だって(※参照資料
今年も早いものでもうさようなら、と半ば強引なトークからつなげて「BYE」です。

会場の外はお台場の夜景。「夜景が"やけぃ"にキレイだ」=遠山さんのダジャレ炸裂、先生苦笑。
同時にステージの照明がサーッと落ちたのはスタッフさんの素早い機転?よい仕事してます(笑)
なんと今日は観覧車6時間待ち!楽屋でその話を聞いた先生は「え゛ー!6時間!?」とダミ声に。
ずーっと探していたビーチ・ボーイズのCDがお茶の水のディスクユニオンで販売されることを知り、
始発から開店までの6時間ほど店頭に並んだ経験のある僕でも、そりゃダミ声になってしまいます。

ご存知のとおり、今回の会場である東京カルチャーカルチャーは、ZEPP東京の2階にあるんですけど、
本日ZEPPではMTVのイベントが開催されているそうで、床下からドスドスすんごい音が響いておりました。
先生いわく、注意に行ったらデカい黒人が出てきて追い返されそう。MTVのイメージってそんなん?(笑)

遠山:「受験生がいるって言いに行こうかな」
黒沢:「いねーよ!」

さらに話題は、きーちゃんがぎっくり腰で欠席したビートルズ・トークイベントについて。
そこからジョン・レノンとニルソンのエピソードに移行。今日はいつになく先生のMCが冴えてます(笑)
なんでも、ブランデー・アレキサンダーというお酒を飲んで泥酔したジョンとニルソンが、
客として訪れたライブハウスで悪態をつき、スタッフにつまみ出されたという有名な逸話があるらしいんです。

さて、とあるバーに連れていかれた若かりし頃の健一先生。カクテルを注文しようにも知識がありません。
ロックオタク・クロサワが知っているお酒は、そう、ブランデー・アレキサンダーのみ。注文。甘くて美味しい。
「おかわりは何になさいますか?」と促されるも、あいにく他にカクテルを知らないので、「同じものを」。
・・・結果、べろんべろんに酔っ払って帰れなくなってしまったということです。甘いお酒には注意注意!
今日はカルカルスタッフの計らいで、「ハーフ」ブランデー・アレキサンダーが特製メニューに用意されました。

そんなジョン・レノンつながりの話題から、ビートルズの「And I Love her」へ。
しかし「これはポールの曲です、すみません」というのがいかにも先生らしくて可笑しい。
丁寧なボーカルに絡む遠山さんのコーラスがふわふわ優しくてきれいでしたね。

「Silencio」を歌い終え、今年は色々な形態でライブをした一年だったと回想する先生。
決して事業仕分けでバンド→アコースティックになったわけではないらしいです(笑)
「本当に必要なんですか4人も!」と蓮舫の口調をマネる遠山さん。
そのうち「オリコン1位じゃないとダメなんですか?2位じゃいけないんですか?」とか言いそうな勢い。

続いて、弦カル公演で演奏された未発表曲「What is this song?」。
こんな名曲が10年以上もお蔵入りだったなんて信じられません。
ちなみに、今回は曲タイトルの由来となったエイドリアン氏についての話題は無し。
ここから第1部終了まで、ギターなし、ピアノと声だけで紡がれる時間となりました。

うわーっ!レアすぎる!L⇔R時代から一度もライブで歌われたことのなかった「RED&BLUE」。
先生の歌の強烈な求心力に抵抗できないまま、僕はスリリングな宙吊り状態に誘い込まれてしまいました。
とにかく感情表現が異常。もちろん極めてプラスの意味で異常。すごかったという一言しかありません・・・。
今回のライブテイクを聴いてしまうと、オリジナル音源はプレーンすぎて物足りなくなるような気さえします。

ところがこの名曲の演奏中も階下からは「ズンズンズン!」と重低音が響いてくるではありませんか!
これなら昨年のパラパラナイトのほうが100倍マシでしたよ。MTVは受験生への配慮が足りない!(違)
ふと、健'zインストアイベント@吉祥寺を思い出しました。会場は中央線高架下の新星堂。ガタゴトガタゴト。

昨年の「SEAT AND MUSIC 2008」で初めて披露された「Grow」。
そのときの好反応が7年ぶりのソロアルバム制作へと背中を押してくれたのだそうです。
ちょうど1年前にこの場所で歌われた「Grow」と聴き比べることはできないけれど、
1年間の成熟と同時に、その純度までも高めた「Grow」を今回聴くことができました。

休憩を挟んで後半戦です。まずは先生ひとりでステージへ。
ここからの数曲「YOUNGER THAN YESTERDAY」「Scene39」「KNOCKIN' ON YOUR DOOR」は弾き語り。
いまあらためて振り返ってみれば、ライブ全体でこのコーナーが最も濃密な時間だったのではないかと思います。
多少声がかすれようがギターを間違えようが、いったいそれがどうしたといわんばかりの迫力と絶対的な矜持。
おそらく現在の黒沢健一にとって、弾き語りという行為は単なる方法論でもなければ代替手段でもありません。
楽曲の奥まった茂みに踏み込み、表現の核(コア)に触れることで新たなエネルギーを獲得するための作業であり、
そこにはまた自分の音楽を更新することへの強いこだわりがあることを、今日のライブで僕は確信しました。

先生は「楽しい」を連発。スタッフ界隈ではグルメ大臣と呼ばれている遠山さんがステージに招かれます。
打ち上げの席でも、遠山大臣が「おいしい」と言ってから食べると2倍おいしくなる、とは健一先生の談。
本日の限定メニューである「たこ-4」は、ビートルズが「FAB-4」と呼ばれていたことから命名されました。
先生には、4つのたこ焼きがビートルズのメンバーに見えたそうです。どんだけビートルズ好きなんですか(笑)

次の曲は「友人が作詞しました」と紹介されたので、僕の頭の上にはクエスチョンマーク1号。
先生の持ち歌で先生以外の作詞ってそんなに多くないし・・・牧村さんのことを友人なんて言うわけないし。
んー、誰だ?秀樹か?秀樹は友人というよりどちらかというと弟だし・・・。え、車好きの友人?誰?誰?
頭の上にクエスチョンマーク2号3号が駆けつけた瞬間に歌い出された曲は、「Missing Piece」。
なるほど、友人って石田くんのことだったのかー。全然思い付かなかった(笑)
演奏中にカルカルの女性スタッフが「ラストオーダーは21時です」と書かれたテロップを持って店内一周。

本日のゲスト、大阪公演の弦カル(千景ストリングス)のリーダーである清原千景さんが登場です。
ちょうど関東で仕事があり、セッションしましょうという先生側からの申し出を快諾して下さったのだそうです。
アコースティックなので手拍子をお願いします、と先生が言うと、まだ曲が始まっていないのに、
客席から早くも<チャッ!チャッ!チャッ!>と軽快なハンドクラップが。すると先生は困惑の表情で、

「そのテンポの曲は練習してないし(笑)。先出し禁止!」

千景さんとのコラボは、初期衝動に限りなく近い熱量を取り戻した「Free Bird」と、哀感極まる「This Song」。
偶然でしょうか、シングルのA面B面でした(※ところでA面B面という言葉の有効期限はあと何年くらい?)
イントロやソロパートはもちろん、ボーカルの魅力を一層引き立てる歌伴のフレージングが最高すぎました。
思わず「過去の名曲を弦アレンジで歌い直したCDを出して下さい!」とアンケートに書き殴ってしまったほど。
そんな感動的な演奏直後のMCは遠山さんのシャツについて。ご本人いわく、ラフレシアみたいだって(笑)



ステージ上は再び健一先生と遠山さんだけになり、「Rock'n Roll」と「I LOVE TO JAM」。
「Rock'n Roll」はともかく、「I LOVE TO JAM」は2人だけじゃ難しいのではと思っていたんですが、全くの杞憂でした。
ボーカルのドライブ感と、ビリー・遠山・プレストンの鬼気迫るプレイが、バンドと変わらぬ熱量を生み出していたのです。

観客参加型(?)の「GAME」を挟んで、本編最後は「Northtown Christmas」。
先日のグローブ座ライブにおける感動的な弦カルバージョンは記憶に新しいところですが、
弦の有無によって感動の質が左右されることは一切ないということが本日証明されました。名曲は名曲。
こんな僕でもホロホロ泣きそうになりましたよ・・・(泣いている友人の姿が見えてもらい泣きしそうになった)

アンコール。先生ひとりで登場。弾き語りで「PALE ALE」。このバージョンは本邦初公開でしょうか。
先生の音楽をあまり知らない友人が「なんかよくわからないけどいいね」と言ってくれた曲なのだそうです。
強弱も緩急もすべて先生の手中。コントロール自在。今日はMCだけじゃなく弾き語りも冴えまくっています。
思わず「過去の名曲を弾き語りで歌い直したCDを出して下さい!」とアンケートに書き殴ってしまったほど(色々書きすぎ)

遠山さんが再登場し、「僕のフェイバリット・チューン」「なんとなくクリスマスっぽいかなぁ」という先生の紹介で、
スカイライナーズの大名曲「This I Swear」。まさかこの曲がまた聴けるとは思いませんでした(泣)
ライブの最初と最後の曲が、図らずも健'z時代のレパートリーになりましたね。
そして2人が退場した後、「A Little Book For Christmas」のPVがスクリーンに流されました。エンドロール。

結果的に歌い納めライブ直前のゲネプロ的な内容になった2007年の「SEAT AND MUSIC」から、
2008年、2009年と徐々に「SEAT AND MUSIC」ならではの独自色が強くなってきている点は特筆に値します。
カルカルのリラックスした雰囲気が可能にするレアなセットリストと、ミュージシャンとしての立ち位置が確かに存在するのです。
(来場者全員へのおみやげもひそかな楽しみだったりします。昨年は非売品CD-Rとコースター、今年はコースターのみ)

アルバムリリース、Focusツアー、ハンキー・パンキー、各種イベント出演、ライブDVD、アコースティックツアー・・・。
2009年は、curve509とScience MinistryとMOTORWORKSが同時に活動していた2004年以来の忙しさだったのでは?
健一先生、スタッフのみなさん、そして黒沢ファンのみなさん、今年1年間おつかれさまでした。来年もまたよろしくお願いします。

+ + + + +

SEAT AND MUSIC 2009 ~☆Holy Night☆~
@東京カルチャーカルチャー
SETLIST

01. Ruby Baby(The Drifters)
02. SUPER SONIC BOY
03. BYE
04. And I Love Her(The Beatles)
05. Silencio
06. What is this song?(未発表曲)
07. RED&BLUE
08. Grow
09. YOUNGER THAN YESTERDAY
10. Scene39
11. KNOCKIN' ON YOUR DOOR
12. Missing Piece
13. Free Bird
14. This Song
15. Rock'n Roll
16. I LOVE TO JAM
17. GAME
18. Northtown Christmas
EN
19. PALE ALE
20. This I Swear(The Skyliners)



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