再び出逢ってしまいました・・・(中古で購入)
ジョイボールとは、1985年にHAL研究所から発売されたファミコン専用の別売コントローラーです。
「スターフォース」「ゼビウス」といったシューティングの名作が発売された折、
初めて連射機能を実装(1秒間に15発)したジョイボールの登場は、僕にとっても衝撃的な出来事でした。
別売コントローラーとしては、すでにジョイスティックという優れた先駆者がありました。
当然のことながら後発であるジョイボール側(HAL研究所)としては、
ジョイスティックとの差別化を図り、端末の優位性をユーザーに強くアピールする必要があったのです。
その意気衝天の勢いは、ジョイボールの外箱に書かれている説明文にも如実に表れています。
1. 内部回路の改良によりボタンを押しておくだけで、次々とタマが飛び出してくる連射機能を内蔵。
2. 方向の操作部がボール状なため少ない手首の運動で絶妙なコントロールができる。
ジョイスティックと違い疲れないし、操作性も抜群。こんな心強い新兵器、他にはない。
3. デザイン、カラーとも従来のジョイスティックを越えた宇宙感覚、ハイテク感覚。
おまけにゲーム工学を追求した機能性重視のデザイン。
冒険心に応えてくれるフォルムだから、身体全体でエキサイトできる。
さぁ、この興奮、はやいもの勝ちだ。
言葉の端々に見え隠れする過剰なまでのライバル心に、魂を揺さぶられますね。
では、さっそくジョイボールをファミコンに繋いで、身体全体でエキサイトしてみましょう。
方向キーの形は半球体で、それを手のひらで包み込むようにして使用します。
使用ソフトは「スターソルジャー」。ゲームスタート!
そりゃ!
ふんっ!
ダァー!!
・・・。
・・・・・(泣)
えぇと、はっきりいって操作性にはかなり厳しいものがあります。
自機を上に移動させようとしても、右上やら左上やら、あらぬ方向へ移動してしまいます。
レバーが球状のため、上下左右への入力がファジー(死語)なのですね。
あらゆるゲームにおける基本動作であろう、垂直・水平移動がまともにできないのは致命的。
まさかこのフニャフニャした動きこそ「宇宙感覚、ハイテク感覚」とか言うんじゃないだろうな・・・。
でも「こんなに使いやすいコントローラーはない!」と断言する人もいるんですよね。
単なる慣れの問題でしょうか?身体全体どころか指先すらエキサイトできないんですけど(笑)
翌1986年、ファミコン標準コントローラーとほぼ同じ外形で連射装置の付いた「ジョイカード」が発売。
そもそも連射にしかジョイボールの存在価値を見出せなかったほとんどのユーザーは、
何の未練もなくジョイカードへ乗り換えてしまったのでした。
■ ぼくは大人になった/佐野元春