:: びっくり日記

黒沢健一を偲ぶ献花の会

2017.01.24



 「はろーいっつみー」が 一ばんすきだよ。
 ライブにいってみたいから、げんきになってね。

と、お見舞いのメッセージを送った娘ですが、
記帳を済ませ会場に入ると、ちょうど流れてきたのは「HELLO, IT'S ME」。
もちろん偶然だとはわかっていても、なんだか不思議な気持ちになりました。
関係者の皆様、本当に素晴らしい機会を作っていただきありがとうございました。

唯一心残りだったのは、半ば意識が朦朧としていたことと、「立ち止まらずにお進みくださーい」という
スタッフさんの誘導が重なったこともあり、楽器や衣装、CD・レコード、写真やイラスト等の展示物を
しっかり見ることができなかったことです。会場の外に出てから、ほとんど記憶がないことに愕然・・・。
しかし、公式サイトで会場の様子が早速アップされ、失われた記憶を少し取り戻すことができました。
シゲさんもブログを更新されています。ありがとうございます。

+ + + + +

あの日から僕は、今を乗り切るためにいったい何ができるのかを考え続けていました。
そして、「黒沢健一の音楽を聴くより他に道はない」というシンプルな結論に達しました。
その音楽遺産に含まれる意味の大きさ、重さに途方に暮れてしまうことがあっても、
何度も聴くことが、その音楽を好きだということの実践に他ならないからです。

通常、伝説とは歴史のある一点で静止するものですが、
黒沢健一の産み落とした音楽は今もなお未来に向かって伸びていると僕は確信しています。
だから「終わらない」んです。これからも意味を生産し、更新され続ける音楽なんです。

でも正直やっぱり・・・

寂しい。
悲しい。
切ない。
心細い。

音楽の神さまが早熟に寄り添ったことは誰の目にも明らかですが、
もう少し晩成に付き合ってくれてもよかったのではないかという思いは消えません。
僕たちは、未来の名曲をどれだけ失ったのでしょうか。



メッセージはお気軽にどうぞ。

黒沢健一::黒沢健一


詠い人の歌

2016.07.30



発売から1年以上経ってしまいましたが、ようやくNSP中村貴之さんのアルバム「詠い人の歌」を買いました。
健一先生の提供曲は、M1「素敵なパラダイス」と、M7「朝から良く晴れた一日」の2曲で、いずれも作曲のみ。

M1は、ハンキー・パンキーの名曲「FOR THE STARS」のような、マージービートの郷愁を感じさせる佳曲。
M7のイントロや歌い出しは、かつて健'zもカバーしたポールマッカートニー「Baby's Request」の雰囲気も。

叩き込むような激しいビートはここにはありませんが、近年の先生らしい自然体でピュアなメロディーです。


■ 素敵なパラダイス/中村貴之


> ひろ二クルさんごぶさたしております。
> いつもながらのステキなレポ、楽しく拝見しました、ありがとうございます♪
>
> 今回のツアーで親しくなった方が東京にも行かれ、
> 「撮影が入っていたからかパフォーマンスも盛り上げ方も地方の2倍!」とおっしゃっていました^m^
> 映像を観たとき、まあ、なんてカッコいい髪型だろう、スタイリストさんって魔法使い?^^;
>
> みなさんきちんとした衣装をお召しで、特に広島大阪名古屋の山口さんは、
> 「それしかないんですか、ほんとーに?」(失礼すぎる)と問いかけたくなるほどのヨレヨレのシャツだったのに。
> 関係ないですけれど、わたしの参加した3会場では、山口さんのファンの方がけっこういらしていて驚きました。
>
> メンバー一新も、わたしにとってはスバラシイ出来事でした。
> たぶん、ファン歴が浅くて、いつものメンバーに他の方々ほど強い思い入れがないのかもしれませんね。
> てか、どのようなメンバーで何をやっても黒沢健一センセイがいればそれでいいのかも。


こちらはなんと、2015年5月1日にいただいたメッセージです。お返事が遅くなり申し訳ありません。
僕は元気にしております。相変わらずの筆不精お許し下さい…(←どこかで聞いたことあるセリフ)
地方公演には参加できなかったのですが、ファイナルの東京とは衣装や髪型まで異なっていたんですね。
山口さんは、ベースの音はヨレヨレしていないので、どうか大目に見てあげてください(笑)
↓続き↓

> 今回は新曲2曲が素晴しくて、それも楽しかった要因の一つでした。
> ひろ二クルさんがおっしゃるとおり、どんな曲にも、先生独特の品の良さがあり、
> また、どんなに攻撃的なパフォーマンスを起こしても、そこにクリーンな薫りが立ち込めずにいられないのは、
> 先生の魅力だと感じます。どこまでも清潔感のあるロックンローラー、ステキですね。
> 白いお花さえ似合うロックンローラー、唯一無二の存在ですね。
>
> 『Take It To The Limit 』は3会場ともステキでしたが、特に大阪は脚がふるえるほどでした。
> (広島の最前列は何となく予想できましたけれども、地元大阪の最前列はとびきりうれしかったです!)


イーグルスも素晴らしかったですが、たしかに「Looking For The Places」「Boots」が盛り上がりましたね!
あれ?提供曲を除けば、その2曲が現時で最新の「黒沢健一の曲」ですか。そろそろ新曲聴きたいなー。



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黒沢健一::黒沢健一


LIVE TIME BEST TOUR 2015 "BEST VALUE"

2015.03.27

ツアーファイナルとなる赤坂BLITZ公演は、黒沢健一ロック・チューンの最高傑作「NEW WAYS TO SEE THE WORLD」で幕を開けました。Focusツアーと同じオープニングですが、とにかく音が若い!前のめりで小気味よくハネるドラムに急き立てられ、崩壊ギリギリに疾走するノイジーなギター。秀でた合奏力に加えてその強いエネルギーの放出は、新バンドの名刺代わりとしてはインパクト十分だったと思います。

最新アルバム「LIFETIME BEST "BEST VALUE"」では、ややtoo muchの感があったキーボードの存在ですが、ライブでは絶妙なバランスに調整されていました。その音色には艶があり、曲中に挟み込まれる短いフレーズのひとつひとつがセンスと閃きを感じさせるものでした。特に白眉だったのは、繊細なフレージングと柔らかいキータッチで、ひたすら美しい音を散りばめていく「Dreams」。各会場ごとに異なった表情を見せたという間奏のアドリブも見事でした。

会場先行でCD-Rが販売された新曲「Looking For The Places」は、Aメロは完全に「Easy Romances」だし、丸みを帯びた黒沢印のメロディーには間違いないんですが、ほんのり土の香りがするのはスライドギター等のアレンジによるところが大きいですね。キーボード→ギターと受け渡されるソロパートは名演。続くイーグルスのカバー「Take It To The Limit」も絶品でした。10月のビルボードはやはり行くべきか…。

もうひとつの新曲「Boots」は瑞々しいロックナンバー。ギターの音が太い!しかし健一先生の作るロックンロールは、荒々しさの中にも、どこかに品の良さ、ノーブルさが残っているんですよね。粗野であっても下品にならない。この曲のサビはメロディーだけ取り出したらBOSTONみたいだし。そんな「Boots」のシャウトが生み出した余熱の中、「Scene39」「PALE ALE」「So what?」「KNOCKIN' ON YOUR DOOR」と畳み掛ける流れは圧巻でした。「So what?」はエンディングの例の暴走がなく少し物足りなかったけど、西山さんのギターソロがキレッキレだったし、むしろ「爆発」しないことでユニークなグルーヴを獲得していたことは特筆に値するのではないでしょうか。

「DAYS」「TOO LONELY TO SEE」の2曲を除き、「LIFETIME BEST "BEST VALUE"」の収録曲は、すべて演奏されたわけですが、アルバムを聴いた当初に抱いたアレンジ面の不満(というより戸惑い)なんて、ライブではこれっぽっちも気にならなかったですね。はじめは「アレンジの違い」ばかりに注目していたけど、それより「ボーカルの成熟」に価値があったのだと確信しました。事実、アンコールで歌われた「ブルーを撃ち抜いて」にいたっては、アレンジ云々を超えてそこにはもう「歌」しかありませんでした。この曲には2007年「年末歌い納め」のトリプルアンコールの絶唱がありますが、まぁあれは別格として、今回のバージョンも情念の表出が際立つ感動的なものでした。

終演後の客出しBGMが流れる中、オーディエンスの熱烈な要求に応えたダブルアンコール。演奏曲は出尽くしているわけで、本編で演奏された「KNOCKIN' ON YOUR DOOR」をリプリーズ。元来アンコールというものはこれでいいんですよね。最後はマイクを客席に向けてオーディエンスがサビを合唱。ライブ全体としては、MC少なめであくまで曲を聴かせることが徹底されていた印象でした。シリアスさや憂いはほとんどなく、ウエストコースト・ロックに対する憧憬と演奏の喜びにあふれたステージでした。

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2015.3.27(Fri) 赤坂BLITZ
SETLIST

01. NEW WAYS TO SEE THE WORLD
02. ALL I WANT IS YOU
03. SOUL KITCHEN
04. (I WANNA) BE WITH YOU
05. (YOU DON'T NEED) NOTHIN' TO BE FREE
06. Maybe
07. HELLO, IT'S ME
08. Looking For The Places
09. Take It To The Limit (Eagles)
10. Dreams
11. Boots
12. Scene39
13. PALE ALE
14. So what?
15. KNOCKIN' ON YOUR DOOR
16. 遠くまで
17. Wondering
18. Rock'n Roll Band
EN
19. SHOW MUST GO ON
20. ブルーを撃ち抜いて
EN2
21. KNOCKIN' ON YOUR DOOR



メッセージはお気軽にどうぞ。

黒沢健一::黒沢健一


KIRIN BEER "Good Luck" LIVE

2015.02.14



TOKYO FM、公開収録のスタジオ生ライブ。
幸運にも招待状が当選して、妻ニクルと一緒に現地参加することができました。



オンエア前は写真撮影フリー。ライブはいつものアコースティック3人編成でした。
ギターは、左からエピフォン(西山さん)、ギブソン(健一先生)、ギブソン(茂村さん)。



先生のギターは、先日の文化放送スタジオライブ中村貴子さんスタジオ突撃時と同じものですね。



番組内で乾杯して、さらにはこんなスーベニールまで。KIRINさん太っ腹!
番組サイトにライブレポ(画像+セットリスト)が公開されています。

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2015.2.14(Sat) TOKYO FM スタジオイリス
SETLIST

01. DAYS
02. PALE ALE
03. ALL I WANT IS YOU
04. Soul Kitchen
05. Maybe
06. (I WANNA) BE WITH YOU
07. Take It To The Limit (Eagles)
08. KNOCKIN' ON YOUR DOOR


■ Lucky / SUPERCAR


> ひろニクルさん、こんばんは。Junです。
> 一年越しのお返事ありがとうございました。もちろん今でも、毎日のように覗かせていただいてます。
>
> 今回のツアーが決まった時から、喜びつつもいつものメンバーじゃないことに不安を感じたり、
> カルカルには行けなかったのでひろニクルさんのレポを読ませていただいて、
> 私ちゃんと着いて行けるかな?と思ったり(もちろんひろニクルさんの正直なレポにはいつも感謝してます)
>
> 実際タワレコで「ALL I WANT IS YOU」を聴いた瞬間に、
> 「一昔前!?」とびっくりしてしまったり(コーラスに…)したのですが、
> その後ファン歴20年にして初めてサイン&握手&トークという怒涛の展開を迎え、
> 健一くんのあまりの優しさにクラクラしてしまい…どこまでも深く理解したいし、何があってもついて行くし、
> 批判するなら先生の音楽精神にのっとって100回くらい聴き込んでから、と心に決めました。現金ですね…
> でもキーはなるべく下げない方が好きですが(笑)


一年越しのお返事失礼しました(笑) タワレコインストアの先生は神対応だったわけですが、
各地方のインストアでも、Junさん同様にクラクラした方は多かったようですよ。本当に優しい。
アルバムのプロモーションで出演したあちらこちらのラジオ番組やインタビュー記事を見ると、
「いつものメンバーじゃない」からこそ今回のツアーは必見!・・・と先生はおっしゃってますね。
恒久的なメンバーではないでしょうし、これはこれで良し、と割り切って楽しもうと思っています!
↓続き↓

> 長くファンをやってると熟年夫婦(?)みたいになってきますが、
> タワレコに行った日から、中学時代のような目がハート状態です。
> カッコいい健一くんが見たくて久々に「Rock'n Roll」のPVを見ましたが、
> あの随所に織り込まれるセミヌードは何なのでしょうか(健一くんのではない)
> ひろニクルさんにはいつか、PVレビューも執筆していただきたいです(笑)
>
> 毎日寒いですが、ひろニクルさんもお体に気を付けて楽しくお過ごしくださいね。


熟年夫婦が思春期のようなトキメキを取り戻したわけですね(笑)
「Rock'n Roll」のPVってそんなのでしたっけ?実はPVってあまり見たことないんです。
「遠くまで」の意味不明さ、「ALL I WANT IS YOU」の変装ネタは覚えているんですが・・・。
機会があればぜひPVレビューもしてみたいですねー。ありがとうございます!

> ひろニクルさん、今晩は。
> まさかニクルさんもグッドラックライブにいらしていたとは。前方にいらっしゃったご夫婦かと思います!
> 私は、友人を巻き込み一人エアー乾杯で写真を撮って貰っていた者です。
> ちょくちょく拝見させて頂いています。これからも宜しくお願いします。
> インストアもさりげなくお見かけしました。 raindrop


raindropさん、こんばんは。"Good Luck" LIVE、お疲れ様でした。楽しかったですね!
はい、そうです。西山さん側の最前列にいたちびっこ夫婦です。インストアは僕ひとりでした。
ぜひ次回はご挨拶させてくださいね。いつもありがとうございます!



メッセージはお気軽にどうぞ。

黒沢健一::黒沢健一


「LIFETIME BEST "BEST VALUE"」 レコ発インストア

2015.01.26

本日のインストア会場であるタワーレコード新宿店7階に到着すると、
フロア隅に設営されたステージではスタッフがマイクテスト中でした。マイクとギターが3本ずつ。
どうやら先月のカルカル2部と同様、黒沢健一+茂村泰彦+西山太郎のアコギ3人編成のようです。
ここで僕は8階のトイレにGO!戻ってきてもまだまだスタッフのマイクテストは続いてました。長いよ!

チェック柄のシャツでキメたジョージ社長の姿が否が応でも目に飛び込んできます。
しばらくすると、チェックのシャツを着た茂村さんとチェックのシャツを着た西山さん登場。
これで健一先生までチェックのシャツだったら怒って帰ろうかと思ったんですが(笑)、
ステージに現れた先生はシンプルな黒無地のシャツだったので事なきを得ました。

「あ、リハーサルです」と先生。はい、知ってます。リハ1曲目はイーグルスの「Take It To The Limit」。
初めて演奏した曲らしいんですが、もう何年もずっと持ち歌にしてきたような練達さと貫禄がありました。
先生のボーカルは言うに及ばず、3人のギターもコーラスワークも、重量感のある味わい深いものでした。
カルカルのときに、この3人の音楽はウエストコースト・ロックを志向しているのかなぁ、と感じたんですが、
今回のイーグルスでそれは確信に変わりました。

先生のマイクテスト。「♪ヘイヘーイ」「♪トゥール トゥットゥー」と矢継ぎ早に短いフレーズを繰り返し、
ハイからローまできれいに音が出ているか確認します。なんというか、僕はもうこれだけで痺れるというか、
いっそマニア向けに『黒沢健一マイクテスト集』とかCD出してください!タワレコ限定で。絶対買いますよ。

リハーサル2曲目は「Soul Kitchen」を2コーラスのみ(大サビ前まで)。
茂村さんと西山さんは、モニターやマイクの音量等についてスタッフに細かく指示を出していましたが、
先生は「いいっすね。俺は大丈夫。本番をお楽しみに」と客席に手を振りながら立ち去っていきました。

+ + +

例によって、本番前は整理番号順に階段に整列。その後、順次ステージ前の観客エリアへ向かいます。
先生はステージに登場するなり「リハーサルでは少なかったけど、こんなにたくさん来てくれてありがとう」。
え、リハーサルのとき僕はステージに見入っていて後ろは振り返っていないんだけど、あまり人いなかったの?

こんなことを言うとお店の人に怒られるかもしれないけど、
「リハーサル見学」は健一先生のタワレコインストアのお楽しみのひとつだと思うので、
お時間が許すのであれば、遅くとも開演1時間前には現地入りすることをおすすめします。
本編では演奏されないレア曲(洋楽カバーや提供曲)を聴くことができるかもしれないからです。
例えば、2008年の「LIVE without electricity」レコ発インストアのときはエヴァリー・ブラザーズやプレスリー、
翌2009年の「Focus」レコ発インストアでは、徳山秀典くんへの提供曲「Close To Me」とか。
早く着きすぎてリハ開始まで時間が余ったら、売場をぶらぶらして暇つぶしもできるし、ホントおすすめです。

オープニングナンバー「ALL I WANT IS YOU」の直後、機材トラブル発生!
どうやら西山さんの前のモニターから、健一先生と茂村さんの音が聞こえない状態とのこと。
スタッフが慌しく確認作業に入ります。すると健一先生は不意にギターを爪弾き、謎の新曲を即興で披露。

「♪僕の歌がぁー 聞こえますかぁー?」

「聞こえませんね…」とボソッと返事する西山さんが可笑しかったです。
引き続きスタッフがモニター周りを確認している間、健一先生はギターをかき鳴らし、謎の新曲を即興で披露。

「♪僕の歌は届いていますかーっ!!」

その後、照れ臭そうに「…すみません」と謝る先生が可笑しかったです。
結局モニターから音は出ていたそうで一件落着。ボリュームが低かったのかな?良かった良かった。

そんなこんなで、開演前のリハーサルでも演奏された「Soul Kitchen」。
僕はライブで最前列という経験はほとんどないんですが、今回は運よく最前列だったんです。
で、この至近距離で見ると、健一先生って本当にエモーショナルで一生懸命歌う人なんだなぁ、と感動。

次曲の準備でカポタストを付ける際、「また間違えそうになった…」と呟いた先生に、客席から笑いが。
茂村さんはなぜ笑いが起きたかわからなかったらしいんですが、カポタスト事件はカルカルでも話していたし、
今回のプロモーションでラジオ出演した際にも「すべらない話」としてあちこちで話しているので、
数々の黒沢天然エピソードの系譜に連なるものとしてファンの間ではすでに認知度は高いのです。
正しいカポの付け方は上から挟み込む感じ?20年以上、先生は下から挟んでいたということ?

というわけで、5フレットに正しくカポを付けて名曲「(I WANNA) BE WITH YOU」。
カルカルではまだ荒削りな部分も感じられたコーラスも、今日は全体的に洗練されていたような気がします。
先生の主旋律、茂村さんの高音、西山さんの低音。それらが複雑に織り込まれた気持ちのよいハーモニーです。

新宿駅に通り魔が出た、という話題に「えっ、マジ!?」とざわつくオーディエンス。そのリアクションを見て、
「君たち何も知らないんだな!そういうことはスマホで調べなきゃダメだよ!」と毒づく茂村さん。
そこからスマホの話題になったんですが、実はこの3名全員ガラケーユーザーとのこと。
つまり、新宿の通り魔のニュースも全部ガラケーからの情報だったわけです。
そしてどうやらミュージシャンはみんなスマホ使いというイメージが巷に蔓延しているらしく、
ガラケーを使っているとかなり驚かれるそうです。ある日3人がリハーサルでかなりきれいにハモれたときに、

「俺たちはガラケーだからハモれるんだ!スマホなんか持ってる奴にハモれるわけがない!

…と、先生は力説していたらしい(笑)
なるほど、ガラケー派のプライドと結束力、強靭な仲間意識があの美しいハーモニーの源泉だったのね…。
ガラケー話で健一先生も高揚してきたのか、「ガラケーズ」を結成しよう!と提案するも、
「あまりキャッチーじゃないですね」という西山さんの一言であっさり却下。

健一先生がいまだガラケーと聞いて僕はなぜか安心したんですよね。…この感覚なんとなくわかっていただけますよね。
あ、この人は変わらん。やっぱり信頼できるな、と。いや、スマホ使ってる人は信頼できないというわけじゃないけど(笑)
当然ガラケーを使っているファンの方もたくさんいらっしゃると思うんですが、むしろこれからはガラケーがクールですよ。

さて、いよいよインストアライブも後半戦です。
「KNOCKIN' ON YOUR DOOR」の終盤、満面の笑みで例のノック・アクションをする先生。
やられたー。今回のアルバムではあの「ドンドン!」というノック音は省略されてしまったので、
てっきりライブでもノック無しかと思っていて、先生のムーブに反応できませんでした。油断してましたね。

今回のアルバムの中でも特に面白い音に仕上がっていると語る「PALE ALE」。僕も同感です。
そしてラストは「Ruby Baby」。エンディングでは、西山さんの激渋ギターソロ、茂村さんのパワフルなハーモニカソロ、
それらに絡む強い意志力を漲らせた先生のボーカルが、渾然一体となって徐々に熱量を上げていく名演でしたね。
永遠にジャムっていてほしいと思いましたが、先生は「じゃ、また」と一言残して颯爽とステージを降りていきました。
すぐさまアンコールを求める拍手が。インストアライブなのにまさかのアンコール!

程なくしてステージに呼び戻されたガラケーズの3人。
ガラケーに新しい情報が入ってきたらしく、先ほどの通り魔のニュースは「デマ」だったそう。

茂村さん: 「ガラケー駄目だな!」
健一先生: 「端末カンケーないでしょ(笑)」

ガラケーズはこれからも「正しい情報」と「良い音楽」を発信していくそうです(笑)
インストアイベントなので本当にアンコール曲は用意しておらず、「今日やった曲でもう一度聴きたい曲ある?」と先生。
客席からの「ペールエール!」の声に応え、本日2度目の「PALE ALE」を演奏してライブはお開きとなりました。
「今日やった曲」という縛りがなければ、個人的には「DAYS」あたりをリクエストしたかったな。

+ + +

ライブ後、ステージ前にテーブルが置かれてサイン会が始まります。

「どもども、ご無沙汰してます」とあいさつすると、先生はあの笑顔で「お久しぶり。元気?元気かい?」
そしてなぜか名前を聞くこともなくサインを書きはじめて、いくつか他愛のない会話をして、握手して、
最後は「奥さんとお子さんにもよろしく」とうれしい言葉までいただきました。感激しましたね。
プチニクルが生まれてからずっと妻ニクルと一緒にライブに参加できず、いつも僕ひとり。正直寂しい。
プチニクルも5歳になったし、インストアのような開放ライブならそろそろ家族全員で参加できるかな?

自分の番が終わってからも、しばらくサイン会の様子を眺めていたんですが、これほど丁寧な対応はちょっと記憶にありません。
もちろん先生はいつも優しいんですが、これまではスタッフが時間見てある程度は列を「煽る」こともあったと思います。
しかし今回はそんな気配もなし。「黒沢健一」に本当に伝えたいことを、ひとりひとり、しっかりと、確実に伝えることができるのです。
「神対応」だと思います。これからインストアが予定されている福岡・名古屋・大阪のファンのみなさん、いまからぜひ心の準備を。



2015.1.26(Mon) タワーレコード新宿店 7F
SETLIST

01. ALL I WANT IS YOU
02. Soul Kitchen
03. (I WANNA) BE WITH YOU
04. KNOCKIN' ON YOUR DOOR
05. PALE ALE
06. Ruby Baby (The Drifters)
EN
07. PALE ALE



メッセージはお気軽にどうぞ。

黒沢健一::黒沢健一


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